若林朋子ゼミ アートプロジェクトを評価するために~評価の<なぜ?>を徹底解明

評価ばやりです。少し息苦しくなるくらい、世の中あちらこちらで評価、評価といわれています。
芸術は評価になじまないとは昔からよく言われてきたことですが、どうもそうは言っていられなくなってきました。なじまないなりに取り組まないと、社会からの信頼を得られず、プロジェクトの実施すら危うくなる心配も出てきました。
自分ひとりで、自己資金ですべて完結する活動ならば、好きなようにやって終わったらやりっぱなしでも、迷惑さえかけなければ誰にも文句は言われません。
しかし、公的資金や協賛金・助成金を得て実施したり、誰かとの協働や組織で動いたり、労働の対価が払われたりする場合、つまり「他者とのかかわり」の中で事業をおこなう場合においては、事業目的を明確にし、明快に自己評価し、第三者からの質問に対してしっかりと説明責任を果たせることが、事業の実施や存続、予算獲得の大きな鍵となってきたからです(事業仕分け騒動は記憶に新しいところです)。

では、われわれはいったい何を評価するのでしょうか?
評価が大事だということはわかっているけれど、いざ評価を実行するとなると、何から始めてよいのやら突然不安になります。いつ誰がやるの? 基準は? 指標は? どうやって測るの? どの程度やればいいの? 誰に報告するの? 何に使うの? いったいアートは評価できるの?!
―不明なことだらけです。評価しないと不安なのに、評価したらしたでこれでいいの? と不安です。

そこで本講座では、多くの方々にとって悩みの種である「評価」について、この機会に関連情報を丁寧に整理し、皆でそれを共有します。
評価に関係する「なぜ?」を徹底的に解明し、最終的には、受講生ひとりひとりが自信をもって、「自ら実践してみたいと思う評価」のあり方を確立することを目標とします。


講座日程|2010年7月~2011年2月
毎月第3週の火曜日 19:00~21:00
(7/13、8/3、 9/14、10/12、11/16、12/14、1/11、2/15)

会場|Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内) 

主催|東京都、東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)
評価講座共催|社団法人企業メセナ協議会

コーディネーター|若林朋子(社団法人企業メセナ協議会)
リサーチ・アシスタント|佐藤李青(東京大学大学院人文社会系研究科博士課程)
ラボ生(受講生)|16名

内容| ※タイトルに各回の実施報告をリンクしています 
第1回 「オープニングレクチャー&SWOT分析ワークショップ」

第2回 「助成財団の評価」…評価の観点、手法等。
     ゲスト講師:片山正夫さん([財]セゾン文化財団常務理事)
      * 講座レポート(ゼミ生:神野裕史さん)

第3回 「企業メセナの評価」…企業の社会貢献活動・メセナ活動の評価について。
     ゲスト講師:加藤種男さん([財]アサヒビール芸術文化財団事務局長)
      * 講座レポート(ゼミ生:石田佑佳さん)

第4回 「行政の政策評価」…行政の政策評価制度の概要、各種ガイドライン等。
     ゲスト講師:柴沼雄一朗さん(総務省行政評価局政策評価官室 総括評価監視調査官)
      * 講座レポート(ゼミ生:小林寛斉さん)

第5回 「アートプロジェクトの評価:ピア・モニタリング編」…関係者の相互評価について。
     ゲスト講師:芹沢高志さん(P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター/
     AAF事務局長)
      * 講座レポート(ゼミ生:増崎孝弘さん) 

第6回 「アートプロジェクトの評価:継続・発展・振り返り編」…長期にわたる活動の評価。
     ゲスト講師:雨森信さん(インディペンデントキュレーター/
     remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]理事)
      *講座レポート(RA:佐藤李青さん)

第7回 「ロールプレイング・ディベート」
      *講座レポート(東京文化発信プロジェクト室:石田喜美さん)

第8回 「プレゼンテーション&講評」


※都合により順番の入れ替えや内容、講師が変更となる場合があります。

情報発信| 
ブログ http://evasemi.blogspot.com/
Twitter http://twitter.com/evasemi
メーリングリスト evasemi@googlegroups.com (ゼミ生用)


◎詳しくは↓をご覧ください。
http://www.bh-project.jp/artpoint/app/class04-01.html

Tokyo Art Research Labについて
本講座は、人々の生きる生活圏をフィールドにさまざまなアートプロジェクトを実施している「東京アートポイント計画」の一環として、東京都と東京文化発信プロジェクト室(公益財団法人東京都歴史文化財団)によって主催されるTokyo Art Research Labの1プログラムです。

Tokyo Art Research Labは、未検証の事例や現在進行中の事例を分析・検証するリサーチプロジェクトです。生活圏に潜む課題や可能性を分析・検証することで、アートプロジェクトを持続可能にするシステムを構築することを目指します。またラボの活動を通して、地域と人をつなげていくアート活動を活性化させるための環境基盤を整備し、またそれを担う人材を育成していきます。