tag:blogger.com,1999:blog-2914294543930277072024-03-14T03:15:14.561+09:00アートプロジェクトを評価するために~評価の<なぜ?>を徹底解明Tokyo Art Research Lab 若林ゼミのブログです。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.comBlogger38125tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-59975514619910177922011-05-24T02:03:00.002+09:002011-05-24T02:15:08.874+09:00『Tokyo Art Research Lab 評価ゼミレクチャーノート』はPDFダウンロードできます!<table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/d-MPWGCSwWvZVvRJvX4Eg_UmTF5G2TpDHWET-kXqoTE?feat=embedwebsite"><img src="https://lh4.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TdqT7S_4s0I/AAAAAAAAA5g/zZv2IeA78BY/s400/class04-document.jpg" height="400" width="263" /></a></td></tr></table><br /><br />2010年7月から2011年2月まで開催されたTokyo Art Research Lab「アートプロジェクトを評価するために―評価の<なぜ?>を徹底解明」の記録集が出来ました。評価ゼミの議論が、余すところなく詰まっています。ぜひ、ご活用ください。ご意見、ご感想もブログのコメント欄や<a href="http://twitter.com/#!/evasemi">ツイッター</a>にてお待ちしております。<br /><br />以下のサイトでPDFがダウンロードできます。<br /><span style="font-weight:bold;">Tokyo Art Research Lab</span><br /><a href="http://www.bh-project.jp/artpoint/app/class04-01.html">http://www.bh-project.jp/artpoint/app/class04-01.html</a><br /><span style="font-weight:bold;">企業メセナ協議会</span><br /><a href="http://www.mecenat.or.jp/news/publications/reports.html#hyouka">http://www.mecenat.or.jp/news/publications/reports.html#hyouka</a><br /><br />- - - - - -<br />【目次】<br />・はじめに <br />・目次 <br />・「アートプロジェクトを評価するために―評価の<なぜ?>を徹底解明」講座概要 <br />・評価ゼミレクチャーノート <br />第1回 「オープニングレクチャー」 <br />第2回 「助成財団の評価」 <br />第3回 「企業メセナの評価」 <br />第4回 「行政の政策評価」 <br />第5回 「アートプロジェクトの評価:ピア・モニタリング編」<br />第6回 「アートプロジェクトの評価:継続・発展・振り返り編」 <br />第7回 「ロールプレイング・ディベート」 <br />第8回 「プレゼンテーション&講評」 <br />・評価ゼミ研究会の記録 <br />・資料編 <br />用語集<br />参考文献<br />参考リンク <br />・おわりにevasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-70344214601791324712011-02-24T17:45:00.005+09:002011-03-03T22:52:58.909+09:00レポート|第6回「アートプロジェクトの評価」<span style="font-weight:bold;">RA/佐藤李青</span><br /><br />第6回の評価ゼミはテーマを「アートプロジェクトの評価:継続・発展・振り返り編」として、雨森信さん(インディペンデントキュレーター/remo[NPO法人記録と表現とメディアのための組織]理事)をゲストにお迎えしました。2003年から大阪の新世界・西成を中心に展開されてきた<a href="http://breakerproject.net/">ブレーカープロジェクト</a>でのご自身の実践を振り返りながら、その評価についてお話いただきました。<br /><br /><table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/zPLzR2PZ89sasLd_PZpmeLnXg9hS3x3rIxJ5wRuuLCw?feat=embedwebsite"><img src="https://lh6.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TW-bXF0CEDI/AAAAAAAAAr8/lJmpptR4TtU/s400/%E2%98%85P1010665.JPG" height="400" width="300" /></a></td></tr></table><br /><br /><span style="font-weight:bold;">Ⅰ.ブレーカープロジェクトの評価</span><br /><br /><span style="font-weight:bold;">1. 支援ではなく、投資として</span><br />現代芸術の世界から孤立した状況への違和感、社会が経済効率化と均一化へと進むことへの危機感、アートと社会をつないでいくために街に創造の現場をつくっていく。雨森さんの経験や問題意識を背景に、ブレーカープロジェクトはアートと社会の多様な「関わりしろ」をつくっていく活動として、2003年に始まった。<br /> 大阪市の事業(大阪市芸術文化アクションプラン 大阪現代芸術祭プログラム)として始まり、市の予算と単年度の助成金を組み合せながら事業を展開してきた。現代芸術のインフラ整備を目指した本事業は、単なる「支援ではなく、投資として」かつ「消費ではなく、生産へ」という考えをもっていた。<br /> しかし、行政内ではなかなか認められず、事業名が「現代芸術支援事業」となったときは「支援ではなく、協働で仕事をしている」と他のアート活動を行うNPOと共に声をあげた。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">2. ブレーカープロジェクトのはじまり</span><br />大阪の新世界・西成を舞台としたのは、スタッフとして関わるremoの拠点がフェスティバルゲートにあったため。自分で選んだのではなく、偶然スタートすることに。第二次大戦の大空襲から復興を遂げるなかで労働者の街となった場所。駅からは近いけど、さまざまな問題を抱えた場所。<br /> 街の人も知らないなかで、初年度は4名のアーティストとプロジェクトを始める。街とは距離があり、かつ街の労働者を排除するようなデザインをもったフェスティバルゲート内でプロジェクトは展開された。街の人をつなぐ仕組みがつくれなかったことが課題となる。<br /> アーティストの藤浩志さんのかえっこは小学校を会場として事前説明会も含めて開催。プロジェクトは「飛び火効果」を生み、やがて地域の女性会が始めるなど、当初思い描いたものとは違う展開を迎えてきた。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">3.対象をこどもに特化した展開</span><br /> 小さな街にも派閥があり、それを外部の人間が飛び越えて活動することで断絶をつないでいく。街の人との関係の深さを実感し、地元の人をつないでいくことができると実感が生まれてくる。現場の対応や事務局の強化が課題に。<br /> 「アートスクール」という名称でこどもに特化した6つのプログラムを展開。年間を通して地域の小学校や児童館を順番に回ったことで、前のプログラムを検証し、課題を抽出し、改善を行っていくことができた。<br /> 基本はアートティストの欲望から発生したものをこどものために展開していく。ワークショップのクオリティやこどもの自由度とのバランスがあるプログラムづくりが課題に。1日数時間だけのプログラムに限界を感じつつ、1年間こどもと関わることで、ふたたび地元の住民が参加できる仕組みをつくることへプロジェクトは向かう。<br /><br /><table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/sne3sz6uIcRcKJRn7pyjDbnXg9hS3x3rIxJ5wRuuLCw?feat=embedwebsite"><img src="https://lh3.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TW-bqhAFdBI/AAAAAAAAAsU/g7WLO6xkKkc/s400/%E2%98%85P1010699.JPG" height="300" width="400" /></a></td></tr></table><br /><br /><span style="font-weight:bold;">4.参加型アートプロジェクトの実践</span><br />街の人がプロジェクトに参加し、一緒に作品をつくっていき、街の歴史や魅力を再発見していく。プロジェクトの原点につながる考え方のもとで、4組のアーティストとプロジェクトを展開。これまでになく地元の人々を巻きこむことができた。<br /> 一方でプログラムを詰め込みすぎたことも反省に。地域に根ざした作品を生み出していくには時間が必要、「参加」ではなく多様な「関わり」をつくっていくことのほうが自然、地元の参加者が固定化していないか、を考える。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">5.単独のプロジェクトを1年間かけて</span><br />2007年は、きむらとしろうじんじん「野点」を1年かけて開催。半年かけて地元の人と準備を始め、説明会を多数開催し、新たな人との出会いや地元の認知度をあげることができた。協力も多岐に渡る。<br /> この頃から、事業を回すだけでなく、目的や評価を考えていく。それまで事業をまわすことに精一杯。市の事業の大枠が崩れていくタイミングでもあり、方向性や展開を再考。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">6.街をつかう、街をつなぐ、街を見せていく</span><br />次年度は悩みのなかで始まり、継続可能なアートプロジェクトの実践は可能か、というテーマに取り組む。藤浩志さんは何も決めずにスタートし、色んな人に関わってもらい、とにかく街にあるものを使っていく方法を取った。新たな視点で街を発見し、課題を再確認し、これまでと違った地元とのつながりができ、教育機関との連携も生また。街を使っていく、街をつないでいく、街を見せていくという方向性も生まれる。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">7.多様な価値観が共存する意義</span><br />再開発で古いものが取り壊され、日本はどんどんきれいになっていくけれど、ブレーカープロジェクトのエリアは人の生活の痕跡が感じられるような場所。改めて街を見せていく。「絶滅危機・風景」を開催。<br /> 西成区の予算で評価、検証の為の報告書を作成。聞き取りを行ない、数値では評価しにくいものをどう評価していくのかを考える。アートが街に入り、どう地元の人に受け止められ、変わっていったのか。聞き取りの結果、はじめは会話が成り立たず平行線の議論しかできていなかった人の新しい価値観は入ってくることで2年での関係の変化や、将来への活動のメリットを見いだすこと、地域づくりとして考えていくことなど、継続してくることで見えてくる多様な価値観が共存していくようなアートプロジェクトの意義が見えてきた。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">8.今後のこと</span><br /> 現在は、これまでの活動を検証し、評価し、新しい目的を立ち上げ、この場所で違うかたちの継続はないかと考えている。まだまだ継続することで、もっと充実したものになっていくはず、持続可能な街との有効な関係をつくっていくかを悩みながら、今年のプロジェクトを展開している。<br /><br /><table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/wpvTvkeqbb_rJmjN2rOHR7nXg9hS3x3rIxJ5wRuuLCw?feat=embedwebsite"><img src="https://lh3.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TW-bh3fQRtI/AAAAAAAAAsM/y8zDr4wRAqY/s400/%E2%98%85P1010682.JPG" height="300" width="400" /></a></td></tr></table><br /><br /><span style="font-weight:bold;">Ⅱ.質疑</span><br /><br />Q 行政という立場の人はこれからも必要だろうか。それとも地元の人達との関わりを深めて、不確定なものをもっている行政の方とやらないというのか。<br />A この事業は公共事業であるべきだと思っている。行政の文化事業として継続の道を探りたいと思っている。支援されるのではなく、一緒に大阪の文化を考えていく。するべきことをしていくような関係がつくられるべきだと思う。いまは難しいけれど、今後考えていかなければならない問題。<br /><br />Q 助成金と協働でやっていく、それとも教育システムに入れてしまう、地域社会のシステム化くらいで考えていくのか。<br />A そこは難しいところ。仕組みのなかにいれてしまうとアートプロジェクトの目的がひとつになってしまう。そこで意味がなくなってしまうかもしれない。システム化をしていくほうがいいという気持ちもあるが、怖いというところもある。今後の課題。<br /><br /><span style="font-weight:bold;">Ⅲ.感想</span><br /><br />雨森さんは、率直に毎年の課題やプロジェクトの実情を交えながら、ブレーカープロジェクトの軌跡を丹念に追って話をしてくださいました。「走りながら」や「事業を回すので精一杯」、「単年度予算」と言いながらも、絶えず自らの実践を問いかけ、そこから見出した課題へ対応するように進められてきたプロジェクトの展開を聞きながら、アートプロジェクトの継続すること意義や自らの立ち位置を検証し、次へ生かしていく自己評価の重要性をあらためて感じることができました。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-8896848418791562772011-02-16T21:10:00.000+09:002012-02-05T22:33:26.131+09:00研究会7|議事メモ第7回TARL評価ゼミ研究会<br />日時:2011年2月16日(水)19時-<br />場所:小金井アートスポット シャトー2F<br />内容:<br />1)ゼミ発表・小金井評価MTGの振り返りとディスカッション<br />2)記録集について<br /><br />以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">家族型モデル</span><br />・マトリクスは、対立軸が何なのかを書かないと意味ない。目的志向の反対は仲間志向?<br />リーダーシップも有る・無いではなく、たとえば民主志向?<br />・このツールに対してマトリクスが必要かは分からない。プロジェクトの過程で、個々人がイメージを浮かべる方が必要では。<br />・マトリクスがあると外には見えやすくなる。<br />・カテゴリーをどうやってつくるか。ボトムアップだとぐちゃぐちゃになりがち。やってる人には意味あるものになるけど。トップダウン式だと外への説明はしやすいが、無理がある。両者の接点はどこにあるのか。<br />・評価の入り口にはなるけど、やり過ぎたらまずい。誰がどう思ってるか見えすぎると角が立つかも。<br />・この方法は、プロジェクトをカテゴライズし、さらにそのなかの個々人の役割もカテゴライズする。<br />・何が分かればできるのだろう?個人的なこととかもわかってるから書けるのか、それとも1週間くらい入っていってみるくらいで書けるのか。<br />・1週間くらいならできるのでは。普段の話言葉のなかで、象徴的な言葉として出てくる。<br />・同じカテゴライズの相互評価なら、ピアモニタリングがやりやすい?<br />・手法としてピアモニタリングが合うタイプと合わないのがあるのでは。家族なら合うけど、カリスマ型は合わないなど。<br />・マトリクス上で別グループがピアモニタリングをするとどうなる?<br />・お互い学ぶ部分はあるのでは。<br />・家族からプロボノ型への変化はある。<br />・プロボノ型は、プロとしてみんなで仕事を持ち寄る。鍋をつつきながら関係を醸成することはできない。<br />・問題点や終わり方が見えてくるのでは。例えばカリスマがいなくなったら終わってしまうとか。より深くその組織を分析するための軸が決まってくるのでは。<br />・カリスマ型は拾う人がいないと暴走する。<br />・プロジェクトの終わり方の研究は面白そう。組織崩壊の研究?<br />・お金が尽きたから終わるという定説は本当?<br />・目的を達成して終わったところはあるのか?<br />・アートプロジェクトの場合、目的達成、ネタ尽き、マンネリ化は、ほぼ同じ意味では。あと、疲弊感。<br />・目的って変えられるから、続けられるはずなのでは。<br />・目的達成は、明確な目標があれば。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">プロジェクトの目的とお金</span><br />・はっきりした目標を掲げない場合も多い。自分探し型?<br />・モラトリアムだとしたら、何のモラトリアム?<br />・どうしたらいいのか答えがないからアート?お金ばらまいてもだめなのだから。<br />・手詰まり感が出てきたからアート。<br />・アートやってもだめなときの逃げ口ってどこなんだろう。<br />・再開発助成金の地域を活性化するアイディアが求められる場面で、「今はアート的なものがすごく有効だと思われる」「ただしもうちょっとパンチ力がほしい」といったコメント。<br />・某アートプロジェクトが受かる。他はどうして落ちる?<br />・プレゼン資料がワードをつかえてない例など。<br />・アート関係者がプレゼンうまい?<br />・思いもよらないことを言ってくるというのは大きいと思う。<br />・再開発とか言っても、それが去った後に何があるか分からない。<br />・再開発しなきゃいけないのは、老人が孤立したり、子供が少なくなったり、商店街が潰れるといった問題があるから。100万円で解決しようと思うのがどうなのか。目くらまし。<br />・アートプロジェクトについて書かれた論文読むと、万能薬みたいに書かれている。<br />・そもそも薬ではない。紫キャベツの汁みたいな。撒いて叩くと浮かび上がってくるみたいな。<br />・万能薬っていうほどお金もかけない。<br />・安上がりだからいいのでは。<br />・『公共劇場の10年』。人件費などを賄うには、事業拡大しなければいけない。それを維持しなくてはならない。実績ないとできないから、実績をつくる。<br />・電通に頼むような感じで、キャッチコピーとかまで依頼がくる。<br />・それをやらないと、機会自体ができない。そうなると、専門性が突き詰められない。<br />・ミッションの下でやる一方、公としての使命。ダブルスタンダードを迫られる。バランスをどうやっていくのか。<br />・舞台芸術の価値としてやってるのに、一部が占有してるというクレームが入ったことによるいざこざ。<br />・無償で貸すって公共団体しかできない。NPOは?<br />・NPOは公益団体?<br />・結局は政治的なやっかみ。<br />・西の岸和田(文化会館)、東の水戸。岸和田は市民参加をやった施設。一方、水戸芸は芸術性を突き詰める専門性をもった館のモデルとしてスタート。<br />・途中で方針が変わって、海洋堂展がその最たるもの。今までの水戸芸ファンからは不評で2ちゃんがフィーバー。巡回展だったこともあり。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">公共圏</span><br />・公共とは何か。アクセスの公共性(どのくらいの人が参加しているか等)はあるが、そもそも演劇・芸術の公共性の議論がない。専門的なものを提供するという意味で、公共劇場の意義が発揮できるはず。守りの評価はアクセスの部分。やってること自体の価値がすごく重要なんだよっていうのをどう言っていくのか。<br />・演劇だと言いやすい。社会で何が問題なのか、人間の存在について考えるようになる。形式的に、演劇とかだと見えやすい。<br />・リクリット・ティラバーニャの作品について、「くそくらえ。誰がつくったって同じじゃないか」と言う人もいる。日本の社会において、公共圏が実現されているということを芸術の場で実感するのって難しくないか。<br />・日常感覚にある芸術と、上から押し付けられる公共概念がアクセスしづらいのでは。めぐりめぐってあなたの生活を支える社会の健全性を保っていると言っても、今日の昼飯に困ってるんだと言われると、反論難しい。<br />・そもそもやる側が、公共圏を支えるものとしてアートプロジェクトを捉えているか分からない。<br />・井戸端会議や祭りといった日本型公共圏を追及しているからでは?<br />・それはそれでいいんだが、公のお金を使うとなると、中身の公共性という議論が通じなくなる。祭りはみんな楽しければよいとなる。<br />・某プロジェクトで問題になった展示があった。<br />・一般市民からのクレームでなはなく、市役所内で、いかがわしい場所と言われている。<br />・内部の問題。議員の人は、個人的に不快だと。<br />・「芸術なんていかがわしいものですからね(笑)」みたいになってしまった。<br />・別の某プロジェクトでもあって。その土地出身の作家。作品としては面白いが、市民からクレームがあった。主催者ではなく区役所に。<br />・自主規制で注意書きはしたが、書いてもなおクレームはきた。<br />・企画会議で、「これだから地域に密着していないプロジェクトはだめんなんです!」と言う人もいた。<br />・「(笑)」となったのが危ないと思った。自分自身が意味をもってやった結果ではなく、みんないかがわしいものと思って「(笑)」となっちゃってる。みんなそう言わないでセーブしている。<br />・セーブするのは良識ではなくて?<br />・個々の人と話してみると、それが、来年やるかどうかという部分にも関わってる。そういう絵が出るやり方ってどうなんだ、と思ってる。<br />・市民との接点を考えると、内容で市民向けなのか、手法として市民参加なのかがごっちゃになっている。<br />・自分たちがプレゼンテーションするようなものなのかという疑念を、ある程度みんな持ってる。<br />・次回から検閲しようとなったらどうするか。<br />・実際、「事前に中身の部分を相談する」ということが入りそうになった。<br />・それをやってしまったら全く意味がないですよと言って止めたり、説明はするけど、現場では個人的な感情の部分がある。<br />・なぜそれをやるのか議論もできるのだが、感情的な部分も入ってくる。<br />・公共的な人格として振る舞えばいいのでは。自分が不快だと思ったから、個人的な感情でだめだと言ってしまうことが危険だと思う。パブリックな意味が有るか無いかは、違う次元で議論しなくちゃいけないのでは。<br />・個人的な部分だけでなく、公的な議論する場をつくろうという意識の部分はいいんだなと思った。そのレベルで議論が積み上がるか。<br />・見に行った議員さんは公には黙ってるのに個人的に言いに行くというのは、言わざるを得ない感情がある。間接的に影響力は行使して、健全なものになるといいなと思っている。<br />・ディレクター側は、作品を選ぶとき、そういうことは考えない?<br />・選んでやってる。説明するときはそういう説明すればいい。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">アートプロジェクトの戦略と問題</span><br />・アートプロジェクトは、ある種戦略的にやってきた。コアにアーティストの作品があり、プラス色んな人を巻き込む。手続きの方に目を集中させて、クオリティーを担保しようとしてきた。そうしてきたから、これだけ大きくなってきてるのかなと。<br />・正面突破は通用しない?<br />・中途半端だと打たれて終わるけど、突き抜けて提示しちゃう。<br />・日本の戦略からすると、それはないんじゃないの?ってことでは。パス回しパス回しが手段なのでは?<br />・カリスマ型は、ど真ん中の部分を見せて伝えちゃう。決定力不足に悩むアートプロジェクトにきたエースストライカーみたいな。<br />・カリスマみたいな人が市の人と関わると出て来る問題。<br />・どう説明を積み上げるのか。<br />・見せ方やチラシのつくり方が今回は不足してた。丁寧なやり方はできるから、事前のコミュニケーションプロセスがあった方がよかったのでは。<br />・方法をちゃんととれてなかった。中身と出すときのコントロールを、組織ができなかった。全体のディレクションはディレクターで、動くのは事務局。動く側がディレクターのスピードについていけなかったのか。体制が整っていなかったのか。<br />・作品としてあれがどうだったかということは全く問題にならない。<br />・ある作家さんは「これはないよね。これやったら人来ないじゃん。」「僕もハードにやるけど、こういう場ではやらない。」と。<br />・健全に鑑賞されることっていいのか?それがバンバン出てるのが健全なのか?検閲されるよりは健全なのか?<br />・一つの主体によってコントロールされることが問題なんじゃないか。<br />・複数の人のなかでディスカッションが生まれてくればいいのでは。<br />・ディスカッションの場になるはずだった評価の場で、芽生えつつある公共圏の芽が消えちゃった。<br />・ディスカッションのポイント自体が共有できるのか、というのがポイント。<br />・好き嫌いで別れて妥協点が見えないという状況になるのか。<br />・それを言うことに対する批判は簡単で、啓蒙的。ディスカッションすることが大事だって言わないと、芸術の公共性は成り立たない。それが存在するかっていうのはある。<br />・日本の公共圏の概念で言ったら、村八分。<br />・事前であれば、そういうディスカッションって成立するのでは。<br />・一回出してしまうと、出した側にはその責任がある。出された側は、傷ついたとして、その経験を一生懸命伝えようとするから成り立たない。<br />・事前ディスカッションもいいことはあると思うが、出さないと意味ないのでは。<br />・ディレクターや芸術監督が成立するか、ということと関わる。<br />・内覧会を初日に行った。その時点でだめだと思った人は、議論自体参加しない状況になってしまう。<br />・日本人の感覚として、好きか嫌いの二択で。嫌いだけど議論に参加しようという選択肢がない。認めたくないけど、議論には参加するよっていうメンタリティーが残されてない。<br />・なぜ不快かを明らかにしてくことで、不快ではないかも。<br />・表現の自由に基づいて発言して、表現の自由に基づいて反論すればよいのでは。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">マイナス面・ネガティブなこと</span><br />・マイナスのことを語る言葉が鍛えられていないのでは。<br />・ディスカッションが良しとするのも、そもそも西洋的な考えなのではないのか。闘って公共圏をつくるという考え方。<br />・発話しないとそこにいないことになる。<br />・発話しない人たちのための公共圏=「空気読め」?<br />・察し合いの公共圏はあるけど、芸術に馴染まない?<br />・アンケートで、不満じゃなくてアドバイスくださいと書くことと通じるのでは。<br />・マイナスの声はどうやって拾うのか。<br />・インタビューもネガティブなことを言う。<br />・ネガティブな意見が入った方が、より客観性が高い評価になるっていう信仰?<br />・暗黙のうちにやめてしまうのがよくないのでは。<br />・意見の複数性を確保できるか。<br />・色んな意見を集める手法はコストがかかりますよ。ということは言える。交際費としてもすごくかかりますよ、と。<br />・ネガティブなことは言ってもしょうがないと思ってしまう。<br />・同調しやすいのか。<br />・マイノリティのときは言わない?<br />・控えめのソーシャル・キャピタルの発見。当番制でまわってくる。他の人がやってるから、自分もやらなきゃという感覚的な部分。<br />・ネガティブなことを言わないことで関係を保っているとかもある。<br />・議論するということを作品の中に組み込んでしまえばできるのでは。<br />・作品を制作するという目的があるから議論しやすい?<br />・作品を見るぼくらのなかには、議論が生まれ得ると思う。<br />・それは作品の評価の中に入っちゃう議論。<br />・問いを発されているだけで、それに応え、答えに対して答えるみたいな議論は発生しない。それを議論と呼ぶからには、条件として、お互いに突き合うというか。<br />・アートプロジェクトで言われる「議論」て、成立するまでに色んな人が関わる。その議論の部分を、作品全体としての議論とすり替わってしまうのでは。作品ができるまでに議論しちゃってるから、その後が見えなくなってる。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">アートプロジェクトのメタレベル</span><br />・メタの次元にいける人がいない。<br />・関わった人達はそこの次元で動いていて、アートプロジェクトがどうだったのか、という次元にはいかない。<br />・アートプロジェクト同士を比較すると、好き嫌いの話になってしまう?<br />・何でアートっていう必要あるの?という議論が出てくる。<br />・アートプロジェクトの質を捉えるということと関わってくると思う。<br />・なんでもかんでも議論と言わない。まずdiscussionとarguingを区分けする。<br />・アートプロジェクトが目指してるのは、問題があるからどうしようかと悩むことではなくて、地域とはどういうものであるべきかを、日常的なレベルから超えて気づかせてくれるということのでは。<br />・色んな人が関わってくると、いかにうまくやっていくか、という価値も出てくる。<br />・そこで区別がつかなくなる。色んな交渉する。そうじゃない方も目指す<br />・processとresultを履き違えているのでは?と発言することのマイノリティ化。<br />・他のプロジェクトとの比較をもてるか。<br />・アートプロジェクトは、下の方を解決するためにやってる。上の方を求めてない。その人たちにどうやって伝えるかっていうのは無理感がある。<br />・初めてアートプロジェクトに関わる時は、信念になるようなものって経験としてない。積み上げないと。色んな人が入ってやってる面白さで完結してしまう。それが価値?<br />・下の方の議論ばっかりやってるけど、アートは曖昧だから下の方の議論続けるのに向いている。それがクオリティーになってくる可能性も。<br />・グダグダ感をうまくつくるクオリティーなのか。<br />・煮詰めても、一向に上にはいけない気がする。<br />・みんなが見えなきゃいけないものなのか?<br />・ディレクションの構造。こういう役割をやる人が必要で、承認できるかどうか。<br />・そういうことに関心ある人が一定数いないことが問題なのか。<br />・ディレクションや評価する人が、そういったディスカッションできるか。こういう場が必要ですね、という認識をつくることが大切なのでは。<br />・日本的な土壌で公共圏難しい。<br />・どういう議論が必要とされているのか、わからなくてもいいから見る。<br />・見える議論は、それ自体無駄ではないが、社会的問題を孕んだ作品が出せず、結局ジリ貧になる気がする。<br />・そういう現状を見て、あえて出すという選択をする。<br />・議論できないと、パッと消えてしまう。<br /><br />■<span style="font-weight:bold;">今後の方向性</span><br />・やったことをいかに他者に説明できるか、それ以前に作業が必要。組織論や、価値って何だっていう話が出てきたり、動き方総体として、評価がうまれてくるのかなと。<br />・評価には調査が必要。表現するまでには色々やらないとダメ。あらゆる記録をとっておかにといけない。比較対象の分析や歴史的な視点も。<br />・評価だけの議論ではないので、評価の枠を外して議論する必要。<br />・実践の場にいかすときのバリエーションとして、具体的には出ていないので、議論のための議論になっていないか。現場に使える話題になってるのか?evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-74614543558827759412011-02-14T14:01:00.015+09:002011-02-14T15:32:55.144+09:002/15 第8回評価ゼミ(最終回)のお知らせあっという間に7か月が過ぎ、評価ゼミも明日で最終回となりました。<br />明日は、ゼミ生によるプレゼンテーションです。オープン講座となりますので、ご関心のある皆さま、ぜひご参加ください。<br /><br />【第8回評価ゼミ】<br />----------------------------------------<br />■日時:2010年12月14日(火)19-21時 <br />■会場:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />■内容:プレゼンテーション&講評<br /><br />■プレゼンテーマ:「私が実践してみたいと思う評価」<br />本講座の目標=「評価に関係する“なぜ?”を徹底的に解明し、最終的には、受講生ひとりひとりが自信をもって、 “自ら実践してみたいと思う評価”のあり方を確立する」に照らし、「自ら実践してみたいと思う評価」について、ゼミ生が一人づつプレゼンテーション。<br /><br />■ゲストコメンテーター: <br />太下義之さん(三菱UFJリサーチ&コンサルティング 芸術・文化政策センター主席研究員/センター長)<br />芹沢高志さん(P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター/AAF事務局長)<br /><br />■ピアモニタリング<br />プレゼンテーションだけではなく、第5回ゼミのテーマだった「ピア・モニタリング」「ピア・レビュー」も実践したいと思います。ゼミ生同士で質問や感想を出し合ったり、一般のご来場者からプレゼンに対するコメントをフィードバック(用紙を配布)いただくような形で進めたいと思います。<br />--------------------------------------------------evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-48931902581011644502011-01-26T14:51:00.003+09:002011-02-14T15:33:12.854+09:00東京文化発信プロジェクトの平成21年度事業に対する評価東京文化発信プロジェクト室の石田さんが、下記資料をゼミMLで教えてくださいました。共有まで。<br />-------------------------------------------------<br />評価ゼミの中でも何回か話題に出していただいた、<br />東京文化発信プロジェクト(「東京アートポイント計画」はこの中に含まれます)の<br />平成21年度事業に対する評価が公開されましたので、情報をお伝えいたします。<br /><br />■サイト「東京都の文化政策」<br /><a href="http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/hyougikai/">http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/hyougikai/</a> <br /> <br />■PDFファイル「平成21年度東京文化発信プロジェクト事業の評価結果」<a href="http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/hyougikai/21hyouka.pdf">http://www.seikatubunka.metro.tokyo.jp/bunka/hyougikai/21hyouka.pdf</a> <br /><br />よろしければ、ご覧になってくださいませ。<br />---------------------------------------------------evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-62915894924162869712011-01-25T14:55:00.003+09:002011-02-14T15:35:10.377+09:00ご案内:シンポジウム「指定管理者制度のいま―評価が意味するもの―」下記のご案内をいただきましたので、転送します。<br />ネットで調べると、「指定管理者制度の評価」については相当数ヒットしますね!<br /><br />(以下ご案内)<br />-----------------------------------------------------------------------------<br />平成22年度昭和音楽大学共同研究<br /><指定管理者制度を導入した公立文化施設の実態調査~横浜・川崎地区を中心に><br />シンポジウム「指定管理者制度のいま―評価が意味するもの―」開催のご案内<br /><a href="http://www.tosei-showa-music.ac.jp/tagblocks/homenews/news/home/0000000314.html">http://www.tosei-showa-music.ac.jp/tagblocks/homenews/news/home/0000000314.html</a><br /><br />公立文化施設に対する指定管理者制度は、施行から7年が経過しました。今、その効果や成果について、経費削減やサービス向上の効果が評価される一方で、管理者任せによる政策不在、人件費の不適切な削減、施設間や地域間格差の拡大などが指摘されています。<br /><br />その様ななか、当制度導入前には成し得なかった実質的な「施設管理運営への評価」の実態がみえてきました。この「評価」こそ、当制度実施の有無に関わらず、公共サービスの正当性などを確保し、改善につなげていくために不可欠なプロセスです。「評価」が、当制度に位置づけられ顕在化したこと、このことこそが、当制度実施の特筆すべき成果とも言えるのではないでしょうか。<br /><br />しかし、その「評価」にも様々な課題があります。今回のシンポジウムでは、その課題に光を当て、公の文化施設のより良い運営を実現させる為に、この指定管理者制度がいかに機能すれば良いのかを考え、さらに、昨今の「劇場法」に関する議論にも寄与することを望んでいます。<br /><br />【日時】2011年2月7日(月)18:30より(18:15開場)<br />【場所】昭和音楽大学北校舎5F ラ・サーラ・スカラ<br />(小田急線「新百合ヶ丘駅」北口徒歩1分)<br /><br />【登壇者】<br />北條秀衛(財団法人川崎市文化財団副理事長)<br />堀江武史(公益財団法人横浜市芸術文化振興財団事務局長)<br />永山恵一(株式会社政策技術研究所代表)<br />中村晃也(昭和音楽大学教授/モデレーター)<br /><br />入場無料、事前申込制<br /><br />【申込方法】<br />下記チラシ(PDF)をダウンロードし、裏面の申込フォームにご記入の上、FAXで送信していただくか、必要事項をE-mailで送信ください。<br /><br />【主催】昭和音楽大学<br /><br />【お問合せ・お申し込み】<br />昭和音楽大学舞台芸術センター(担当:酒井)<br />-----------------------------------------------------------------------------evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-39684296184174659192011-01-21T15:04:00.002+09:002011-02-14T16:45:41.013+09:00レポート|第7回「ロールプレイング・ディベート編」今回は、東京都歴史文化財団 東京文化発信プロジェクト室 地域文化交流担当「東京アートポイント計画」 プログラムオフィサーの石田喜美さんが、詳細なレポートを書いてくださいました。<br /><br />臨場感あふれるリポート。<br />ぜひお読みください。<br /><br />▼1/14 TARLレポート:評価ゼミ第7回「ロールプレイング・ディベート」 石田 喜美 <br />(東京アートポイント計画ブログより)<br /><a href="http://www.bh-project.jp/artpoint/blog/staff_blog/2011/01/tarl7.html">http://www.bh-project.jp/artpoint/blog/staff_blog/2011/01/tarl7.html</a><br /><br /><table style="WIDTH: auto"><tbody><tr><td><img src="https://lh4.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TS8N0cer8bI/AAAAAAAAAgk/4Ob9YaX9Or4/s400/IMG_4840.JPG" width="400" height="300" /></td></tr><tr><td style="TEXT-ALIGN: right; FONT-FAMILY: arial, sans-serif; FONT-SIZE: 11px"> </td></tr></tbody></table> <br /><br /><br /><br /><br /> evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-84452984989502659842011-01-20T15:42:00.000+09:002011-03-05T02:50:02.953+09:00研究会6|議事メモ第6回TARL評価ゼミ研究会<br />日時:2011年1月19日(水)19時-<br />場所:小金井アートスポット シャトー2F<br />内容:<br />1)前回の議論の振り返り<br />2)個人プロジェクトの報告とディスカッション<br /><br />以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。<br /><br />■ アーティスト・イン・レジデンス<br />・ アーティスト・イン・レジデンスの世界的な組織(res artsist)。遊工房も入っている。アート界の人達が自由にやっている(評価はない?) <a href="http://www.resartis.org/en/">http://www.resartis.org/en/</a><br />・ トランスアーティスツ(オランダ):世界中のアーティスト・イン・レジデンスの情報を集めたり、連携を図ったりしている。 <a href="http://www.transartists.nl/">http://www.transartists.nl/</a><br />・ Arts & Lawのピアメンタリング。同業者で、同じようなキャリアを積んだ人によるディスカッションの機会をつくる。最近では、国際交流基金と組んで、AIRのピアメンタリングもやっている。 <a href="http://www.arts-law.org/">http://www.arts-law.org/</a><br /><br />■ 個人プロジェクト報告(大川)<br />・ おじいちゃん的な存在を考える前に、自分の関わるプロジェクトを家族構成で考えてみた。<br />・ 全ての役柄があるわけではない、ひとりで何役もこなしている場合もある、ということが分かった。<br />・ 全体の見通すことができて、それぞれの役割が分かる。その上で、足りないものも分かる。<br />・ でも、あくまでも自分の視点。他の人の視点もいれるといいのではないか。<br />・ 「誰が」を実名にしたほうがいいのか。複数の視点をあわせるならば、名前があったほうがいいのではないか。<br />・ 自分の関わるプロジェクトには、おじいちゃん的な人がいない。人の意見をまとめて、どう実行に移していけばいいかを分かっている人。かならずしも「アート」に詳しくなくともいい。一緒に面白がってくれればいい。「地域」をベースに活動しているため、地域のハブのような役割で、いろんな人を紹介してくれたりするのがいい。<br />・ 話を聞くだけでなく、ときには鋭い指摘をしてくれるような人。<br />・ はじめは「おじいちゃん的な人」がカウンセリングをしてくれればいいと思ったが、自分で分析することが評価につながるのではないかと思った。<br />・ (この分析のやり方は)自己分析のツールなのでは。心理学モレノのソシオグラム(sociogram)、教室の運営手法が参考になるかも。<br />・ 家族だからいいのか。役職で分析したら、指示系統がはっきり出てくる。家族だから、多様な側面が出て、記述しやすいのかもしれない。<br />・ そもそも、家族というメタファーとして捉えられることが幸せなことでは。<br />・ (家族以外の)いくつかの組織の特性を出して、それを選ぶところからはじめたほうがいいのではないか。<br />・ アートプロジェクトは長屋みたいなもの。企業みたいな感じがしない。<br />・ 宗教メタファー。はっきりと指揮系統がある。考え方を普及するのはいいかも。<br />・ (組織の)役割がどこまで多様なのかを考えたり、可視化するツールとして有効なのではないか。そもそも家族で捉えるということも含め。<br />・ こういう役割を可視化する組織分析のツールがあるのか。<br />・ who’s who法みたいなもの? 教育経営学、コミュニティ心理学、組織心理学が参照できるかも。<br />・ 組織分析ツールに使えるのではないか。(ぐるっと360°帆足さんが参考にした)チャールズハンディーの本は組織類型を出しているが、いくつかのプロジェクトを抽象化していくのはどうか。<br />・ ロール型はあるのか。カリスマ型は、外に文言を出すときに、その人が書くしかない。<br />・ 組織を類型化して、そのメリット、デメリットを指摘できるかも。<br />・ カリスマ型、ファミリー型、ロール型より、家族型のような言葉の使い方がいいのではないか。<br />・ サザエさん型、ちびまる子ちゃん型、ドラえもん型、マンガで学ぶ組織論? <br />・ 生きている人間を組織メタファーで使うことは、組織もそうだけど、構成員が成長していくことを捉えられる。経年変化も捉えられるかもしれない。<br />・ いまおじいちゃん的な存在はいなくとも、3年後には誰かがおじいちゃんになっているかもしれない。<br />・ アートポイント計画のプロジェクトは類型化ができるのではないか。<br />・ 本来は、どういうプロジェクトをやりたいから、どういう組織をつくっていくかを考える。<br />・ 終わり方が類型化や予測ができるのかもしれない。<br />・ 新しい人の募集の仕方が分かるのではないか。ボランティアのミスマッチの解決策になる。その組織が、何を提供できるかを考えられる。<br />・ 家族型はボランティアを集めやすい?家族型の現場はプロ的に仕事をする場所ではないが、楽しい。何か目的をもって参加すると難しい。インフォーマルなコミュニケーションを取れるかが大事になってくる。閉鎖的になりがちな危険性もある。入りたての人は馴染めなかったりする。<br />・ 組織分析、これはかたちになったら、使えるのではないか。<br />・ 評価には外向き、内向きがあるとすれば、内向きには組織的に考える必要がある、という流れ。これは組織的に考えるための分かりやすいツール。<br />・ 事業の評価と組織の評価という考え方で、これまでは事業評価のみが語られてきたが、組織の評価にも外堀と内堀があるのではないか。内堀は組織内の関係性を見ていく必要がある。<br />・ 組織の類型が決まれば、評価の軸も決まってくるのではないか。<br /><br />■ 個人プロジェクト報告(石田(佑))<br />・ 助成について見てみた。企業メセナ協議会の助成認定制度がオーソドックスなもの。それでは基本的なものを押さえておけばいいということが分かった。<br />・ 町村レベルだと評価があいまいという話があったが、文化庁とか(大きな組織)が絡んできたときに膨大な定量評価が必要になってくる。<br />・ 企業とか財団は比較的理解がある。担当者が頻繁に変わるような大きな組織では、色んな言語をもたなければならないことが大変になっているのでは。<br />・ 企業メセナは基本的には事前評価なのだろうか。<br />・ 企業メセナにおける評価の取り組み。企業ごとに担当者が、まず社内に認めてもらうということが大事になってくるのでは。<br />・ 行政では組織の信頼性が企業よりも重視されるのではないか。行政は転ばないことが重要。組織が信用できるかが大きくなるのでは。<br />・ AAFも(誰がやるか、というより)「何をやるか」が重要になっている。<br />・ 説明の言葉の使い方だけではなく、何で信頼を得るのか、ということもあるのではないだろうか。どういう点が信用を得るために必要なのか。<br />・ 「アーティスト」に共通言語はない。アーティスト=個人くらいだから。行政や企業だと対組織的なコミュニケーションがある。<br />・ 地域だとそういう(個人レベルのコミュニケーションや特有の信頼のあり方)があるのではないか。市報に載る、飲み会など。<br />・ 個人間では事業内容での共感だけでは済まないこともある。<br />・ もっと大雑把ではないほうが図としては書きやすいかも。誰にとっては、どの評価軸を使えるのか。<br />・ アートの本質的な評価へは、とりあえず、いまある評価を積み重ねることで行くことができるのではないか。<br />・ 「アートの本質」を評価するとは、どういう状況を想定し、調査するか。<br />・ 実際に見に行くということ、ヒアリング調査をしていくということが大事。ぶつ切りにしたときに見えない関係性を見るようにしていく。人に会って、話してという行動が必要。そこで判断をしてほしい。<br />・ ただ、地域の人にインタヴューをしていても、「いわゆる」話が出やすい実感がある。誰に対して、どういう語りが出てくるような調査をすればいいのか。<br />・ いちばん早いのは、分かっている人(プロジェクト運営者)に聞いて、名前の出てくるような人に聞いていくのはどうか。いい面は拾えるが、恣意的なものになってしまう。長い年月を見て積み重ねていくしかない。<br />・ インタヴューの様子を何百頁の報告書を書くよりも、映像記録を残しておいたほうがいいのでは。<br /><br />■ 調査の手法<br />・ ランダムサンプリングと雪だるま式サンプリング。<br />・ どういう研究をしたいかは何を明らかにしたいのかによる。キーパーソンを対象にしなければ分からない意味の世界を知りたいのであれば、そうすればいい。<br />・ (そういう調査をするならば)自らのポジションを明らかにしていけばいい。限界を見えるようにしておけばいい。<br />・ 大地の芸術祭の報告書がいいかもしれない。アンケート調査の結果が載っている。色んな利害関係の立場にある人に話を聞いている。<br />・ 報告書にあてはめて、図をつくってみるのはどうか。そこに足りないものなどを追加していく。<br /><br />■ 評価をどのように反映していくのか<br />・ アートの本質を伝えたい、とは何か。好きなものを伝えたいとか、評価のレベルで言うことは微妙かもしれない。「好きじゃないから、やらなくていい」となってしまうかもしれない。<br />・ 本質的に伝えたい事は伝えるけど、評価では違った見せ方をする。<br />・ 内堀の評価を外に出さなくてもいい。みんなが内堀を言い始めると怖い。内堀では好き嫌いの議論に踏み込みつつある。でも、外堀での議論にそれが出てしまうと、みんなが意思決定できる状態になってしまうのではないか。外側の人が一緒に成長していく人になってしまう状態が危険では。意思決定できなくなる。<br /><br />■ 個人プロジェクト報告(石田(喜))<br />・ 「社会」をどのレベルで想定するかでシステムの構築の仕方が違う。<br />・ ミクロ:固有名の集まり、個人に対する信用・想いへの共感。個人に基づいた寄付や購入であらわれやすい。ひとつひとつの金額は少ないけど、多数が集まること。<br />・ マクロ:行政など顔が見えない抽象的で匿名的、世間、不特定多数。中間支援組織が信頼できるか、妥当性があるか、で社会的信用をえる。そして、傘になる。団体や個人へのオーソライズと情報提供を組み合わせる。<br />・ AAFでは、AAFという傘でオーソライズされるが、個々のプロジェクトの自由度はまもられる。たとえばアンブレラ的な組織をつくっているアーティストギルド。<br />・ 情報提供をしてつないでいくというアンブレラ。たとえば認証マーク。<br />・ オンラインプラットフォームは活用されているのだろうか。まだ始まっていないから分からないが、アメリカ版は盛り上がっているらしい。日本でどれくらい機能するかが注目。<br />・ 組合的な考え方:必要だけど自分だけではできないから、メゾレベルで組織をつくる。社会的に必要だからプラットフォームをつくるという考え方。<br />・ 前者は参加する人が負担をする。後者はより幅広い人に声をかけられるが、個々人へどこまで響くのか。<br />・ AKBにお金を使う。メゾレベルだけど個人の感覚としてはミクロなのではないか。仕組みとしてはメゾレベル、参加する仕組みがミクロになっている。<br />・ メゾレベルで設定する枠組みは何にするのか。<br />・ 誰に対して評価を見せていくのか。そこにミクロ、マクロ、メゾがある。<br />・ 評価の内容が共感できるかどうか。ある領域を担うのであれば、それをどういう風に設定できるか。ある種の業界団体的なもの。<br />・ アンブレラに強みがあるとしたら何か。想いだけでつながるのでは不安。逆に面白いものができなくなる可能性がある。専門化による安定した判断はクオリティを保つには必要なのではないか。<br />・ アンブレラ組織の専門的な見識。<br />・ (資金調達に)複数のシステムが混在していて、みんなに見えている状況がいいのではないか。どれがいいか選択する仕組みがあること。<br />・ こういうことを理解して、やってみなよ、というコンシェルジュ的な人が必要。色んな人の相談を受けて紹介していくもの。<br />・ こういう場合は、こういう評価があるんだよ、と多様なものを見せていける。<br />・ 中間支援組織っぽい。中間支援組織のネットワークってないのだろうか。CANPANはそうなっている。<br />・ どういった情報を公開しているか。メゾレベルは企業を想定すればいいかもしれない。<br />・ プロジェクト全体のもっている理念への共感。理念と手段の妥当性でお金を出す仕組みになっているのではないか。<br />・ メゾレベルの団体も福武のようになると名前があって、世の中的に認知されている。組織はどんどんオーソライズされていくが、終わるタイミングも必要なのではないか。<br />・ 組織として信頼性をもちながらも、それを壊していくようなものがあるといいかもしれない。たとえば、事務局は信頼性を確保する方法をもたざるをえない。そこを壊すところをアーティストに期待している。<br />・ アワードが終わっていくのは硬直化しているからか。<br /><br />■ 中間支援組織の硬直化<br />・ 時代遅れになってしまう、とか…。<br />・ 既得権が増えてきて利益団体化してしまう。認証によって権威をつくってしまう。組合的な組織の怖いところ。<br />・ 日本版アーツカウンシルは専門家が専門的な判断を下す組織として語られる。ただ、アーツカウンシルは意思決定を下すための材料も自分たちで集めており、そのための調査研究の組織がある。<br />・ もし、日本でやろうとすると委員会をつくって、材料集めは同じ行政の人がやってしまうことになるのかもしれない。<br />・ すでにある中間支援組織が連合を組んで、評価的な機能をもつようなかたちはありえないだろうか。<br />・ 評価だけを考える独立した組織があったほうがいいのではないか。適正な評価を純粋に考えるだけの第三者団体が必要なのではないか。組織としてみると「第三者」、人としてみると「おじいちゃん」。<br />・ コンシェルジェ的な機能をもつものなのかもしれない。<br />・ コンサル的なものまでもつ、たとえば自己分析ツールを使うような。<br />・ いくつかの仕組みがあったほうがいいというのは、硬直化してきたら、別の仕組みに逃げる。複数化のメリット。<br />・ あんまりがちがちにコンサルのようなかたちを取らないほうがいい。「おじいちゃん的な」みたいな言い回しの感じ。<br />・ (アートプロジェクトのスタッフの)ドラフト会議があってもいいのではないか。年1回、そういう場があってもいいかもしれない。公開スカウト、スカウトのエージェント…。<br />・ そのくらいのニュアンスの中間領域をつくっていくといいかも。<br />・ Tokyo Art Research Labはドラフト実現に向けた組織だったはず。ドラフトになったとき、こんなことできます、という人材をつくりたかった。甲子園のような存在。<br />・ ラボ全体で甲子園をやってもいいのかもしれない。それをプロジェクトの人に見てもらっていて、スカウトする。トレードとか。<br />・ トレードっていいのではないか。他のプロジェクトを知ってみる、交換留学的なもの。ひとつ魅力になるのかもしれない。このプロジェクトと提携してます(みたいな)。情報を共有しているような。<br />・ みんなで盛り上げていこう、という雰囲気ができる。全体を考えるような。それがボトムアップ的に出てくるといいのではないか。<br />・ モデルは提示する(こういう領域があります)として、ボトムアップに声があがってくると面白いのではないか。<br />・ ドラフトされて指名されたほうが、サポートしがいがある。<br />・ お互いにやりたいこと/やってほしいことが明確になるから、ミスマッチも少なくなるのではないか。<br />・ 事務局レベルでの人材の流動化。プロジェクトの積み重ねが出てきて、育ってきた人(中堅レベル)が宙ぶらりんになっていく時期が来るのだろうか。<br />・ ネットTAMキャリアバンクのリクナビNEXTみたいなもの。マッチングと人材バンクがあること:TARLがそうなればいいのではないか。<br />・ 他のプロジェクトのことを知っている、という素地がないとボランティアができないのではないか。<br />・ 組織分析とマッチングが一緒に機能するといいのではないか。<br /><br />■ 今後のこと<br />・ 次回以降は原稿をどう書いていくか、を検討していく。<br />・ 全体の議論まとめ、各論(個人執筆)という構成はどうか。<br />・ 本当にドラフトとかやるか。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-42093482827389899672011-01-20T15:15:00.004+09:002011-02-14T21:07:28.341+09:00第7回ゼミ「ロールプレイング・ディベート」前のチームディスカッションから第7回ゼミでは、「ロールプレイング・ディベート」前に、2手に分かれてチームディスカッションを行いました。模造紙&付箋を活用して、「プロジェクト推進派」「プロジェクト終了派」がそれぞれ意見を出し合いました。下記に、その記録をまとめました。<br /><br /><strong>■A市アートプロジェクトの今後について</strong><br />推進/反対の理由やプロジェクトの成果、課題など。<br /><br /><strong>「アートプロジェクト推進派」</strong><br />・ ボランティアが育った<br />・ 市長を支援する党の方針(議員)<br />・ 地元市民と社員が交流する場(企業)<br />・ 予算減での状況にも関わらず文化をサポートしたいという良識ある企業<br />・ イメージアップ、地域貢献(企業)<br />・ 退職後の生きがい(ボランティアの住民)<br />・ 文化欄が充実する(地元新聞記者)<br />・ 課外授業として使える、親との交流の場(学校の先生)<br />・ 住んでいる場所の知名度が高まり嬉しい(参加しない住民)<br />・ 地域的文化的価値アップ、知名度アップ(議員)<br />・ 地域の住民が自発的に企画を立ち上げるようになった。機会が必要。(住民)<br />・ “実施は絶対”予算措置されている(市のフェスティバル担当者)<br />・ まずポジティブに、やり方をリニューアルして始動します(事務局スタッフ)<br />・ 卒論として扱える(地元大学の学生ボランティア)<br />・ 福祉は人との触れあいが大切、多くの人が来るものは価値がある(福祉施設建設派住民)<br />・ 人が多く来るようになり、売上が増え、継続していくべきだ(商店街の会長)<br />・ 観光客が来る(商店主)<br />・ 税収が増える(市の財政)<br />・ 知名度アップ、今年は資金アップ求められる(事務局)<br />・ 地域貢献してるとの評価を得られる(大学)<br />・ 学生にボランティア、インターンさせたい(大学)<br />・ 生徒が自主的に参加(美術の先生)<br /><br /><br /><br /><br /><strong>「アートプロジェクト反対派」</strong><br />・ 自分はただ自分の好きな作品が作れればよいので、アートフェスティバルである必要はない(参加アーティスト)<br />・ 減っていても継続してきた(行政側)<br />・ 美術館をつくったほうがよい(財務担当者)<br />・ メディアにとりあげられていない!(市のフェスティバル担当者)<br />・ 560万だとしょぼいから記事にならない、地元アピールにならない(地元新聞記者)<br />・ 今、どこの地域でもアートイベントをやっているので、アピールにならない。6年間の成果をまとめて、他のあたらしい活動を始めるべきでは?(地元新聞記者)<br />・ アートは反権力的、脱権力的であるべきだ<br />・ 今どき、アートより福祉!(介護老人保健建設推進派)<br />・ あたしたちのボランティア謝金が出ないならやらない!(地元学生ボランティア)<br />・ もう6年間もがんばってきたし一区切りしてそろそろ休みたい。婚活しなくちゃ。(地元のボランティア住民)<br />・ べつに自分達はボランティアができればよいので必ずしもアートである必要はない(フェスティバルボランティアの住民)<br />・ 外から人を呼んでも公害なだけ(参加したことのない住民)<br />・ 金の切れ目が縁の・・・<br />・ ボランティアでがんばってる人たちにきちんとペイも払えないのにやる意味なし(地元学生ボランティア)<br />・ 6年間やっていても自分はそのプロジェクトに参加したことはない、そんなものにやる意味はない!(参加したことのない住民)<br />・ NPOが自分とコネのあるアーティストに支援していただけ<br />・ この地域でアートでできることはやりつくしたんじゃないか?別のことをやった方がよい(不参加アーティスト)<br />・ より高齢化が進んだので、アートがわかる人がそもそも市民の中にいないのでは?(市のフェスティバル担当者)<br />・ 市民のアートリテラシーが低い(アーティスト)<br />・ ボランティア、スタッフからのクレームが多い(事務局スタッフ)<br />・ アートはブルジョワのものだ!もっとプロレタリアートに愛を!(議員)<br />・ 560万じゃそもそも何もできない(事務局スタッフ)<br />・ この地域にはアート・ファンばかりが住んでいるわけではない。6年もやってきたのだから、今度は別の利益集団の関心に配慮すべき(議員)<br />・ 6年で具体的な成果が上がっていない(行政)<br />・ モチベーションの低下(事務局スタッフボランティア)<br />・ 票とれない、文化じゃ(議員のホンネ)<br />・ 予算560万円では大した経済波及効果は期待されない(商店街の商店主、行政)<br />・ 地域のお祭りと何が違うのか?イベントの効果(議員?)<br />・ そもそもアートフェスティバルが行われていたことすら知らない(参加したことのない住民)<br />・ 商店の売上にはつながらなかった。やっていても意味がない。(商店主)<br />・ 去年、市民からクレームがありました(市のフェスティバル担当者)<br />・ 6年間も支援してきたのに、人材が育っていない(これまで協賛してきた企業担当者)<br />・ 560万じゃ「フェスティバル」はできない。フェスティバルができないならやる意味はない(NPO事務局)<br />・ 予算560万規模のフェスティバルでは質も期待できず、話題性がない(マスコミ、地元新聞記者、テレビ局)<br />・ お金の使い道、内訳が不透明<br />・ これを市が助成する意味が見えにくい(市の担当者)<br />・ 学校の中で何かするのはやめてほしい<br />・ 子供たちの学力低下の方が問題。教育の方にもっと予算をつけるべき(学校の先生)<br />・ 予算が少ないフェスティバルは経済波及効果や企業のイメージアップ(ブランディングへの効果)の点であまり信頼できない。(お金の問題=信頼関係の問題、winxwinが期待できない)<br />・ 企業のPRにならなかった(企業)evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-70442395714337896672011-01-11T15:38:00.006+09:002011-02-14T15:57:15.842+09:001/11、第7回ゼミ「ロールプレイング・ディベート」開催第7回評価ゼミ、お疲れ様でした。 アートをとりまく関係者の立場になりきって意見を述べる 「ロールプレイング・ディベート」を試みましたが、いかがでしたでしょうか。<br /><br />「アートをとりまく関係者の立場になって考える」ことは、<br />評価の仕組みづくりにおいて(プロジェクト推進においてもですが!) 極めて重要です。<br /><br />こういう立場の人だったら、この案件はどう感じるのか、<br />何を求めているのか、何に触れられたくないのか、<br />何に達成感を感じるのか、どんなエピソードが共感を呼ぶのか、<br />誰が参加すると説得力がぐんと増すのか、誰にいてほしいのか・・・。<br />あれこれ考えると、自分の作りたい評価に関わってほしい人や、<br />集めておきたい声なども見えてくるのではないでしょうか。<br /><br />今回は、アートフェス継続推進派VS反対派の議論という設定にしました。<br />ディベートの前のグループワークでは、反対派は早い段階から、<br />いろいろな意見が出て活気がありました。 一方の推進派はなかなか進みません。<br /> う~む。やっぱりそうか…。がんばれ推進派。<br />…と思いながらディベートに入りましたが、<br />ディベートでは、時間が経つほどに推進派が不思議と元気と勢いを増したように思いました。<br /><br />なぜでしょうか。<br /><br />そもそも皆アートに関心があるから反対しにくい、など<br />いろいろな理由があると思いますが、文プロ石田さんが感想で言われた<br />「単なる感情論での反対はやりにくい。別に推進したいこと(福祉施設建設)があって、<br />これよりその対案が大事、という意見は述べやすかった」 との感想は、的を得ていると思いました。<br /><br />評価では、(事業仕分けの例でもわかりますが)、<br />感情的な反対意見というのは意外と恐れる必要はなく、<br />異なる推進案があるときほど、こちらの必要性、正当性を説くのが難しいのですね。<br /><br />そういった難しさをふまたうえで、どんなロールを登場させたかったかを<br />振り返ると、評価に関わっておいてほしい人(←推進派に登場させたロール)や、<br />日頃から意見を丁寧に聞いておくべき人(←反対派に登場させたロール)が<br />なんとなく浮かび上がってくるように思います。<br /><br />今回、評価指標を参考情報として出しました。<br />それを皆さんがどのように使われるか、知りたく思ったためです。<br />あまり利用はなく、唯一森さんが使われました。<br />森さんがお使いになった「将来の文化を担う人材の発掘・育成」という指標は、<br />「使える」指標だったからだと思います。<br />この<使えると思った>指標に関するデータやエピソードを<br />どのように蓄積しておくかが、今後は鍵になってくると思います。<br />逆に、例えば「類似事業の実施希望が寄せられたか」とか<br />「多様性を発信できたか」というのは、あまりピンとこないというか、<br />現場が使える、使いたいものではないのかもしれません。<br /><br />こんなことからも、現場がもっておきたい、それで評価してほしい情報や<br />データというものが見えてくるように思います。<br /><br /><strong>【第7回評価ゼミ】</strong><br />-------------------------------------<br />■日時:2011年1月11日(火)19-21時<br />■会場:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />■内容: 「ロールプレイング・ディベート」<br />アートプロジェクトには、それを取り巻くさまざまな関係者、ステークホルダーが存在します。<br />一つのプロジェクトは、十人十色、100人100様の視点で見ることができ、その「相手の立場に立ってみること」こそ、アートプロジェクトの評価には欠かせません。<br />評価ゼミ第7回となる本日は、いよいよディベートを行います。各参加者が、アートプロジェクトを取り巻くさまざまなステークホルダーの役になり、各々の立場から意見します。<br /><br /><strong>■ 状況設定:<br /></strong>「A市アート・フェスティバル」をとりまく状況<br />A市では、6年前から「A市アート・フェスティバル」を行ってきた。A市が主催、担当部署はA市の文化芸術振興課。パートナーとして、地元で活発に活動を行っているNPOが事務局を担っている。総予算は開始当初は1200万円だったが、2010年の予算総額は960万だった。<br />このたびの財政難でA市の支出が全体的に見直されることに。文化予算も20%の減額になった。「A市アート・フェスティバル」も例外でなく、市の負担金(助成金)がカットされることになり、総予算は560万円になる見込み。<br />この予算では、これまでの規模や同等の質を保っての開催は厳しい。今後「A市アート・フェスティバル」を継続するかどうか―議論が分かれている。「賛成派」は、ようやく地域も人もうまくつながって軌道に乗ってきたので、規模は縮小しても継続すべき、との立場。「反対派」は、助成金がカットされたら潮時。6年の成果をまとめていったん終了しよう、との立場。<br />近く、「A市アート・フェスティバル」の外部評価も行われることになっている。<br /><br /><strong>■「A市アート・フェスティバル」をとりまくステークホルダー(例):</strong><br />• 市のフェスティバル担当者<br />• 市の財務担当者<br />• パートナーNPOの事務局スタッフ<br />• アーティスト<br />• 学校の先生<br />• 商店街の商店主<br />• 参加したことのない住民<br />• これまで協賛してきた企業担当者<br />• 議員<br />• 地元大学の学生ボランティア<br />• フェスティバルボランティアの住民<br />• 地元の介護老人保健施設建設推進派の住民<br />• 地元新聞記者<br /><br /><strong>■「A市アート・フェスティバル」の評価指標</strong><br />1.「A市アート・フェスティバル」の浸透度<br /> 1)事業を実施した地域内で、「A市アート・フェスティバル」の知名度が上がったか<br /> 2)実施地域以外から、類似事業の実施希望が寄せられたか<br /> 3)実施分野以外から、連携の希望が寄せられたか<br /> 4)メディアに取り上げられたか<br /> 5)事業の実施現場が視察対象となったか<br />2.地域や市民の参画<br /> 1)地域の住民が事業に参加したか<br /> 2)地域の住民が主体的に事業を運営したか<br /> 3)地域に特化したプログラムが展開できたか<br /> 4)地域の既存事業と共存・共栄できたか<br />3.プログラム構成<br /> 1)「A市アート・フェスティバル」の目標の達成に必要な事業が行われたか<br /> 2)分類別(地域資源、分野連携、人材育成、メディア)に見て、手薄なところがなかったか<br /> 3)市政の課題を鑑み、特定の分野だけでなく、様々な分野と連携したか<br /> 4)事業実施により、当該分野や実施地域における課題解決の糸口となったか<br />4.A市の多様性の発信<br /> 1)様々な個性を持つ地域、その個性を引き出す内容の事業を実施したか<br /> 2)多様な地域資源を活用したか<br />5.将来の文化を担う人材の発掘・育成<br /> 1)「A市アート・フェスティバル」の参加者が、アートプロジェクトの担い手となったか <br /> 2)ボランティアなど多様な人材の活用を積極的に進めたか<br /><br /><br />■ 配布資料 (セルフリサーチ資料)<br />「<a href="http://www.britishcouncil.org/jp/japan-arts-arts-project-management-workshop-report.pdf">アートプロジェクト・マネジメントの方法~ワークショップ・ハンドブック</a>」(ブリティッシュ・カウンシル、2010)<br />----------------------------------------------------evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-84924628255219576312011-01-11T15:35:00.000+09:002011-02-14T15:37:33.008+09:00本日の評価ゼミ:第7回ロールプレイング・ディベート評価ゼミの皆様<br /><br />本年もよろしくお願いいたします。<br />本日を含め、評価ゼミも残すところ2回。<br />いよいよラストスパートです。 どうぞよろしくお願いいたします。<br /><br />本日は、ディベートを行います。<br />これまでのゼミでは、主にレクチャーを聞くことと、それに関する質問がメインで<br />皆さんに自らの考えを語っていただくことはなかったですが、<br />今日は、評価について日頃考えてきたことや<br />ゼミを通じて新たに気がついたことをみんなで語り合えたらと思います。<br /><br />ただし、ロールプレイングなので、<br />普段の自分の立場ではなく、他人になって語ってみるディベートです。<br /><br />ぜひご参加ください。<br /><br />また、過去にご欠席だった方に、<br />これまでの配布資料の在庫を配布しますので、ぜひお越しください。<br /><br />若林evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-73640249547925279952011-01-11T15:18:00.006+09:002011-02-14T15:32:22.201+09:00ご案内:「NPO・社会的企業等の社会的価値評価への挑戦~英国版SROI入門」「NPO・社会的企業等の社会的価値評価」<br />に関するセミナーのお知らせをいただいたので、下段のとおり転送します。<br /><br />(以下ご案内)<br />------------------------------------------------------------------------------------<br />来たる1月25日(火)に、NPO・社会的企業の社会的価値の評価手法として世界的に注目されるSROI(Social Return on Investment:社会的投資収益)の専門家を英国からお招きし、明治大学非営利・公共経営研究所と立命館大学桜井政成研究室の共催で、SROIの入門セミナーを開催いたします。<br />NPOや社会的企業が、「公共」や社会課題解決の担い手として社会的に信頼される存在として発展していくためには、その成果(アウトカム)や社会的インパクトを適切に評価し、社会に対して説明する独自の評価理論・手法が必要となると考えられます。<br />SROIはその有効な評価手法の1つであり、組織のアカウンタビリティの向上や経営改善ツールとして活用可能です。公契約(委託・指定管理等)の選考・評価過程においても、あるいは協働事業の審査・評価等においても、NPO・社会的企業の社会的価値を評価基準に盛り込む際の有効なツールとなる可能性があります。<br />同時通訳付き、参加費無料、事前申込み不要です。どうぞふるってご参加ください。<br />-----------------------------------------------------------------<br />社会価値評価研究セミナー イン 京都<br />「NPO・社会的企業等の社会的価値評価への挑戦~英国版SROI入門」<br /><a href="http://www1a.biglobe.ne.jp/pmssi/20110125_seminar.html">http://www1a.biglobe.ne.jp/pmssi/20110125_seminar.html</a> <br /><br />主催:明治大学 非営利・公共経営研究所<br />共催:立命館大学 桜井政成研究室<br />協力:(株)公共経営・社会戦略研究所(公社研)<br /><br />□日時:2011年1月25日(火)18時半~20時半<br />□会場:コープイン京都 2階 2012会議室<br />京都市中京区柳馬場蛸薬師上ル井筒屋町411<br />TEL:075-256-6600<br /><a href="http://rcpt.kyoto-bauc.or.jp/coop-inn/kyoto/access/index.html">http://rcpt.kyoto-bauc.or.jp/coop-inn/kyoto/access/index.html</a> <br /><br />近年、NPO・社会的企業等、「サード・セクター」の社会的インパクトをどのようにしてより積極的に表現することができるのか、あるいは定量的に評価できるのか、といった「社会的価値の見える化」に関心が高まっています。<br />その背景には、従来の経済的価値中心の評価では、「サード・セクター」組織が生み出す価値が低く評価される傾向にあり、それが公契約(委託等)における不利な状況に結び付いていること、あるいは「サード・セクター」にもますます社会に対するアカウンタビリティが求められるようになったこと、経営改善ツールとして適切な評価手法が求められていることなどがあげられます。<br />特に、欧米では、SROI(Social Return On Investment、社会的投資収益)をはじめ、新たな評価手法が実用化されてきました。英国では、非営利系シンクタンクのNEF(New Economics Foundation)が、米国のREDFで開発されたSROIを進展させ、2009年、内閣府から「SROIのガイドブック」を公表し※、一部のNPOや自治体での導入が進められています。<br />この度、この分野の議論と実践をリードしてきたSROIネットワークのジェレミー ・ニコルス氏 を招聘しSROIを用いた社会的インパクト測定の入門的解説と、具体的にSROIという手法が直面している課題等についてお話いただきます。<br /><br />※「SROIのガイドブック("Guide to SROI")」 は、以下のサイトからダウンロードできます。<br /><a href="http://www.thesroinetwork.org/component/option,com_docman/task,cat_view/gid,29/Itemid,38/">http://www.thesroinetwork.org/component/option,com_docman/task,cat_view/gid,29/Itemid,38/</a><br />【プログラム】<br />18:30~18:40 開会のあいさつ<br />18:40~19:40 講演<br />「 The Introduction to SROI -New Approach to Measuring Social Values」 ― The Utility and Challenges of SROI for Helping to Understand Social Impact of the Third Sector ―<br />ジェレミー・ニコルス氏(SROIネットワーク 代表)※<br />19:40~20:10 コメント<br />20:10~20:30 質疑応答<br />※講演者プロフィールの詳細は、公社研ウェブサイトから社会価値評価研究セミナーのチラシをご覧ください。<br />公社研ウェブサイト <a href="http://www1a.biglobe.ne.jp/pmssi/">http://www1a.biglobe.ne.jp/pmssi/</a> <br />□参加申し込み:不要<br />□参加費:無料<br />□定員:100名<br />□言語:同時通訳(日英)、但し同時通訳レシーバーは先着100名分まで<br />□問い合わせ:株式会社公共経営・社会戦略研究所(略称 公社研)<br />E-mail: <a href="mailto:info@pmssi.co.jp">info@pmssi.co.jp</a> TEL/FAX:03(3296)1151<br /><br />以上evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-83548297456003739592010-12-22T15:38:00.000+09:002011-03-05T02:23:38.319+09:00研究会5|議事メモ第5回TARL評価ゼミ研究会<br />日時:2010年12月22日(水)19時-<br />場所:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />内容:<br />1)前回の議論の振り返り<br />2)これまでの議論の図式化<br /><br />以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。<br /><br />■ 個人まとめ:石田(佑)の図<br />・ ステイクホルダーをプロジェクトの運営者中心にまとめた。<br />・ それぞれにどんな指標がありえるのかを図式化した。<br />・ 行政を大きなもの(国など)と小さなもの(自治体など)の2つに分けた。<br />・ 今回は不参加者へのアンケートを考えずに描いてみた。<br />・ アーティストからのプロジェクトの評価が一番大事だと思う(アーティストに面白い人がいることで地域づくりへもつながっていくのではないか)。<br />・ 自己評価は入れるべき。プロジェクト運営者がそれぞれのステイクホルダーに伝えることを第一条件にしたい。<br />・ アーティストにプロジェクト終了後、「本当はこうしたかった」ということを聞く。あらためて場を設定することからポイントを捉える。<br />・ 観客アンケート:TwitterやSNSを使えば気軽に意見が聞けるのではないか。<br />・ 財団、行政はエピソード評価などいろいろあったほうがいいが、コストを理解した上で、どういう人からの意見がほしいかを事前に決めておければいい。そのうえで、投入できる資源を勘案して指標を設定する。<br />・ 担当者は現場でのヒアリングを行なう。できれば行政や企業の担当者がボランティアや地域住民と話をする機会をもつ。<br />・ 企業や財団は醸成対象者を選ぶ(選考が事前評価)。市区町村レベルだと打合せや日常的なディスカッションがあるから、いろんな材料を出す必要はないかもしれない。<br />・ コストの範囲内での評価について事前に関係者で決めてやること。アーティストからの事後評価をやるようにして、ステイクホルダーに伝える。<br />・報告書は地域住民などは読まない。行政担当者などへの説明責任の材料となっていくため、ここで評価指標を決めていけばいいのではないか。<br />・ 評価はそれぞれのパート(アクターとの関係)に分散されているのではないか。<br /><br />■ アーティストと行政の評価<br />・ アーティストから不満を聞く。それを行政に伝える。アーティストの要求を無視してはいけないということを主張してほしい。<br />・ 率直に難しいと思う。その難しさがどこにあるのか。<br />・ 言葉がそもそも通じない。生きている言葉の世界が違う。<br />・ 客観的な評価ではなく、責任のなすりつけあいになってしまう危険性。徹底的にやってしまうと「来年からはやめてしまおう」となってしまう。<br />・ アーティストが不満を言うこと=作品をよりよくすること。行政が思うことは「アーティストがベストを尽くすのは前提として、社会にどんな意義があるのか」ということ。そもそも軸が違う。<br />・ 行政はアーティストという存在に不信感を抱いている、と言われる。多くを要求するし、約束は守らない、という。不信のシステムの真ん中にいる感じ。<br />・ 神山に行ったときに「評価はしていない」と言われた。行政と密なコミュニケーションができているから、それは必要とされていないのか。<br />・ 異動が多いと紙の資料でしかコミュニケーションがとれない。<br />・ 行政にも、担当者なのか、自治体全体なのか、と層がある。<br /><br />■ 行政の思い描くイメージ<br />・ 行政が思い描いた地域住民像とのギャップがあるのではないか。たとえば、現在のコミュニティの状況があって、いい方向にもっていこうとする。そこで、思い描いているコミュニティ像が違っているのではないか(アーティスト像も同じではないか)。<br />・ そこから、かなり恣意的な評価軸をもってきてしまうのではないか。しかし、それを切った場合に、行政からお金は出なくなるが…。<br />・ いまはプロジェクト運営者中心で描かれているが、主体が変わることで違った描き方になってくるのかもしれない。<br />・ もし、ロールプレイング・ディベートをやるならば、自分の本当の立場とは違うものをやったほうがいいのではないか。<br /><br />■ 広告代理店的なものとアートプロジェクト<br />・ 行政が一番やりたいのは、広告代理店に頼みたい。広告代理店ほどクオリティは高くないけど、それに近いことがアーティストならばできるかもしれないという思惑。<br />・ それに乗っかって違うものを提示しようとするアーティスト。行政とアート側が相互依存の関係。<br />・ 全部のジャンルで起こっている出来事ではないか。悪しきデフレスパイラル。そこから軋轢やストレスが生まれてきている。バブルの頃は代理店に発注できていたのに…。<br />・ それを分かって乗っかっているのか、本当に乗っかってしまっているのか。プロジェクト運営者の倫理観や、その価値(評価)にかかわってくる。<br />・ 上手く説明をし、場をつくって、アーティストの自由を確保していくこと。<br /><br />■ アートプロジェクト・リテラシー<br />・ 見慣れていないとアートプロジェクトのよさが分からないかもしれない。アートプロジェクトにリテラシーが必要になるのではないか。<br />・ 行政担当者が現場を見て、面白さを理解してくれれば、評価担当者はいらない。でも、実際現場に来ても分からない(来場者数くらいしか)。<br />・ 継続や蓄積があれば、教育されていく効果はある。それが評価のいらない状態なのか(市区町村レベルで評価がいらないということ)。<br />・ たとえば広告代理店的なものを目指した効果から、がくんと落ちてしまったら、担当者はどう対応していくのだろうか。<br />・ 広告代理店的なものを求めなくなる。そうじゃない面白さに価値を転換ができるかどうかが重要になるが、そのときに別の評価軸を出さなければいけない。<br />・ まずは3ヶ月続けられるかどうか。その上で多様な説明をしていく。<br />・ 評価の手法の蓄積=あれこれ手をつくして説明されてきた歴史の地層。<br />・ 1970年代に叫ばれた「行政の文化化」=行政が文化を扱うだけでなく、行政の自己変革の視点もはいっていたはず。手法は複雑化しているけど、根本的なところは変わっていないのではないか。<br />・ 地層のような評価軸は、突き詰めればプロジェクトを守るために、恣意的で無根拠になってしまうのではないか。<br />・ 説明したい意味に向けて方法論を変えていくことに問題はないのでは。<br />・ 資本をアートに投入するということ(根拠がないものを信じなさい)ということ。<br /><br />■「面白さ」をどう想定するのか/クリエイティブな手法とは<br />・ 多様な評価手法は、違う現実を描くための手法。関係を切り結ぶ相手とどういう現実を描けばいいのか、という手法が沢山あるということ。<br />・ ただ、この研究会の問題意識には「思い描きたいはずの像が従来の手法では描けていない」ということがあったのではないか。<br />・ これまでは「違う現実を描くこと(それで説明すること)から、こっそり実現していく」か「思い描くことができる個人がやってしまう」しかなかったのではないか。<br />・ アートプロジェクトは、一番話し合いたいところを話しあってしまうと実現しなくなってしまうのではないか。何かしら置き去りにして走りだしているのではないか。<br />・ そこが「アートの面白さ」やゼミでの「アートは評価できるのか」の議論で出てきたのではないか。でも、そうなると、見切り発車なのか、クリエイティブな方法なのか、は分からなくなってしまう。クリエイティブな独自の方法が必要だけど、何とでも言えてしまう。そこの線引きをどうしていくのか。<br />・ 一番遠いと思われる行政とアーティストの不信感を埋めるためには、そこをやらなければならない。<br /><br />■ アートプロジェクトの面白さ<br />・ 表現を実現するまでの行政、地域住民やアーティストの交渉プロセスでの新しいヴィジョンをつくっていくことの面白さがあるのではないか。アートプロジェクトの形式としての可能性(アーティストの自由を実現するという従来のアーティスト観ではなく)。<br />・ そこの面白さに気づき始めたアーティストがいるけど、それこそがワークショップや広告代理店的な盛り上がりとして捉えられやすい。<br />・ その面白さを追求しながら、一方で説明をして場をつくっているプロジェクトが成功しているのではないか。<br />・ アートプロジェクトのマスターピースが生まれてきたのではないか。マスターピースをマスターピースとして捉えた言葉がないために、使われていく現状はあるのではないか(批評がない?)。<br />・ アートプロジェクトの作品が地域から離れても成立してしまうことへの疑問。<br />・ 「どこでもできること」(=アートのサーカス化)は悪く言うべきことなのだろうか。むしろ、地域ごとにマイナーチェンジはあったとしても、そうならないとマスターピース化しないのではないか。出力仕方は(地域によって)違うけど、フォーマットは一緒。第3者から見れば、同じように見える。<br />・ システムとしてアート作品であれば、そういうものなのではないか。<br />・ 「どこでも同じ」という批判は、アートプロジェクトの見方に慣れていないとも言えるのかもしれない(細かく見ると本当は違う)。<br /><br />■ アートプロジェクトと地域<br />・ アートプロジェクトみたいな形式が「関係性」や「システム」というキーワードから作品が生まれてくることにつながっているのに、結果的に見えてくるときに、地域に密着していく作品の形式になっているためにそう見えてしまう。<br />・ 地域とアートプロジェクトを結びつけるのが、ミスリードになるのかもしれない。かならずしも「地域」と「アートプロジェクト」はイコールではないかもしれない。<br />・ サイトスペシフィックのアートとしてのアートプロジェクトなのか、リレーショナルアートとしてのアートプロジェクトなのか。アートがどう変化したのか、という議論がない。<br />・ アートプロジェクトが増えたのはミスリードのおかげ。危ういと言われるゆえんだが、明確に定義付けをしたら、呉越同舟の船が沈んでしまう。<br />・ アートプロジェクトの意義でよく言われるのは、曖昧だから色んな人が関わる余地があると言われる(商店街祭りではなく…というとき)。ミスリードを上手く使っているところはあるかもしれない。<br />・ しかし、昔ほどミスリードが使えなくなってきているのではないか(アートプロジェクトインフレ、ユーザーの気づき)。<br />・ ここで本当の意味での「アートの価値」を説明していけるかどうか、分岐点なのではないか。広告代理店的なものじゃないんだという価値形成まで斬り込んでいけるのか。<br /><br />■ 社会とアート<br />・ 行政は最初の推進をしていくけど、あとはNPOなど自律的に展開していくことがありえるのではないか。<br />・ それでは、アーティストも運営する方も食えないのではないか。本来は市民の集合的な代表としての行政のはず。政策が地域住民を求めるものを提示するのか、潜在的なもの(少し飛び抜けたもの)を提示していくか。後者は多数決では弱くなるのでは。<br />・ ドイツでは「芸術の自由」がある。『ドラマトゥルク』もそのトーンで書いてあった(「見えなくなる職業」のドラマトゥルクはそれがないと成立しないという話から)。日本では、芸術のための芸術にお金が出るようになっていないのでは。<br /><br />■ 個人まとめ:大川の図<br />・ カウンセリングを面白いなと思った。外部から言われることは、現場でやっている側は認識できている。上から目線でアドバイスするよりも(親のように色々と言うより)おじいちゃん的な存在が必要。<br />・ がっつりアドバイスするより、方向性を見出してくれるような人。<br />・ アートプロジェクトの経験を積んできたマスターのような人。<br />・ 自分とフラットに話をしてくれるけど、アドバイスをしてくれるような存在。<br />・ 色んな立場の人がいる組織は強い。みんな同じではなく違いがある(他者性)。<br />・ お母さん的(見守ってくれる存在)→もう少しこうやったほうがいいよね、と言ってくれるような存在。<br />・ おじいちゃんは業界が成熟しないと出てこないのではないか。<br />・ 企業のようなダイレクトに利益追求型ではなく、ゆるいアートプロジェクトだから出てくるのではないか。<br />・ プロジェクトのコンサルをするときに、家族構成は使えるのではないか。<br /><br />■ ボランティアの運営<br />・ お母さん的な存在が出来たことで、一気にボランティア組織ができた例。上から目線ではない、役割はフラット。テンションは同じだけど、経験などが違う人だった。<br />・ カウンセリングが必要とされたのは「均質な人が集まりやすい」という問題だったのか。性別、年齢層が均質化せずに異質なものが入ってくるといいのか。<br />・ ボランティア募集の段階で、注意すればいいのではないか。一方で多様に募集すればいいわけではない。ばらばらだと、よそよそしくなってしまう。<br />・ 上手く配分できる「ボランティアの薬剤師」のような人が必要か(ボランティアバンク、派遣業…)。<br /><br />■ 内堀の評価〜アート事業と投資<br />・ アートプロジェクトで外側の評価っぽく見えるんだけど、内側に食いこんでいるものってあるのだろうか。内堀の評価って何か。年末の展覧会ベストは内堀か。<br />・ アーティスト・イン・レジデンスって内堀に集中したものなのではないか。どんな評価をしているのか。どんな要請のなかで出てくるのか。<br />・ レジデンスにすると参加者数とかが求められないのではないか。そもそもの目的が投資なのではないか。<br />・ アートプロジェクトは投資だと思われていない。消費だと思われている。そのため、即時的な効果が求められる。<br />・ 美術館だと作品購入は投資になる。アートプロジェクトは消費=即評価。<br />・ 投資的な効果ってどう表現されるのか。現実的には捏造に近くなる。道路は事前評価に地層を組み上げていった(つくるとどうなる、という説明)。<br />・ こども向けのプログラムがやりやすいのは教育とオーバーラップしやすいから(投資的な効果が分かりやすいから)。効果が曖昧なもののほうが簡単か。<br />・ アートプロジェクトは社会的なヴィジョンを語れていないのか。アートプロジェクトがどんな財として捉えられているのか、は重要なのでは。<br /><br />■ アートプロジェクトの歴史<br />・ 日本最古のアートプロジェクトとは何か。何を最古として考えるのか。<br />・ 牛窓国際芸術祭(1984年〜1992年)、白州か。<br />・ 加治屋健司さんの論文 <a href="http://www.art.hiroshima-cu.ac.jp/~kajiya/research.html#works">http://www.art.hiroshima-cu.ac.jp/~kajiya/research.html#works</a><br />・ 橋本敏子さんの本(『地域の力とアートエネルギー』)を読んで、この15年で何が変わったのだろうか、と考えさせられた。アートプロジェクトは先行例を気にするではなく、走りだして始まった。そして、走り続けた15年だったのではないか。<br />・ 美術館が増えてきたのと同じ流れなのではないか。仕組みが出来ると次々とできる。90年代はアートプロジェクトが万能薬のように思われていた。<br /><br />■ 個人まとめ:石崎さんの図<br />・ 評価を光にたとえてみた。プロジェクトのコア(イノベイティブなもの)を守る傘がある。<br />・ 紫外線(まちづくりなど)と赤外線(経済効果など)と可視光線。可視光線が届いてほしい。<br />・ 光が届くのであれば、副産物として教育や地域への効果が出てくる。<br />・ たまにカウンセリングなど養分を与えるとより芽が育つ。<br />・ 光はなければならない。けれど、有害な光をいかに遮るのか。光=社会の厳しい視線。<br />・ いい光だけをイノベイティブなところに到達するようにしたい。成熟した葉であれば、有害なものから守ることができるだろう。<br />・ ひとつの傘にしなかったのは、説明責任がものすごく発達したときに、どこかの時点で質も高くなってくるのではないだろうか。<br />・ 評価により質の高まりも認めておく必要があるのではないか。<br />・ 芽が生まれるか、生まれないかは偶然に左右されることも多い。<br /><br />■ 評価のコメントの行方<br />・ 行政から評価のコメントが現場に届かない。<br />・ 見せたほうが当事者も学ぶところが大きいのではないか。(外から)どう見られているかは分かるのではないか。<br />・ 評価委員の言葉を匿名で伝えることの意義は何か(部外秘の意味)。<br /><br />■ 個人まとめ:石田さんの図<br />・ 外側への説明=社会への説明責任(行政の人が使わなければいけない言葉)<br />・ 内堀=面白いこと、クリエイティブ、攻めの評価、よりよくしていく評価。<br />・ 評価者は両方をつないでいく役割がある。<br />・ 組織として、制度としてどう実現していくのか。たとえばAAFのようなアンブレラ型の方法。<br />・ 制度自体を組み替えることで、新しい評価のあり方があるのではないか。<br />・ 新しいファンドをつくることで、助成金の仕組み自体をつくっていく方法。たとえば、情報公開による認証制度を行っている京都地域創造基金の例。<br /><br />■ 質的な材料の扱い方<br />・ (質的/量的など図式化することで)質的/定性的なものに対する態度を考えさせられた。対面インタヴューでも、ひたすら感動を引き出そうとしてしまう。<br />・ 第三者がいいかもしれなけど、なかなか口が重くなる。だから、おじいちゃん的な存在が必要なのか。期間をあけてインタヴューが重要。<br /><br />■ 今後のこと<br />・ 今回の個人まとめで上手いこと分担が出来てきたのではないか。<br />・ アクターの図、攻めの評価のなかみ、キャベツモデル、全体的なスキームという流れが出来てきた。<br />・ ベースの考え方が共有されてきたので、個々の関心を深めていけた。<br /><br />■ 次回の進め方:個々のテーマを、もう一段階を深めていく。<br />・ アートプロジェクトの評価におけるアクター。アクターごとに説明が違う。どう違っているのか。どうあるべきなのか。中心のアクターが違うものを数種類つくったほうが面白いかもしれない。<br /><br />・ 攻めの評価(カウンセリング・批評・ドラマトゥルク)、で「おじいちゃん役」という言葉は説得力があるのではないか。<br />・ 評価者の適切な距離のとり方、具体的な人物像。内堀の評価でどのような役割、経験、知識が必要なのか。パーソナリティから普遍化できるといいのではないか(スキルまで?)。<br /><br />・ 説明する言語のグラデーションと時間性。キャベツモデル:1)ひとつのプロジェクトの成長モデル、2)社会をキャベツとして捉える(芯のプロジェクト、外側のプロジェクトで捉えるモデル)。<br />・ 新しいプロジェクトが生まれるジェネレーションも考える。<br />・ イノベーティブなものをどう判断するか。事後的にしかわからないのでは。<br />・ 図の意味を言語で深めていけるといいのではないか。光はおじいちゃん的な存在が見えてくると分かりやすいのでは。<br /><br />・ 評価者でつなぐモデル、アンブレラモデル、ファンドレイズするモデル。<br />・ 具体的なスキームがコアになってくるのではないか。<br />・ ウェブにファンドレイズにあるものが増えてきているのではないか。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-73989082971237969502010-12-10T20:50:00.007+09:002010-12-11T17:51:58.627+09:0012/14 第6回ゼミの参考資料(事前連絡)あっという間に今年も残すところあと20日。<br />以下、年内最後の「第6回評価ゼミ」の事前連絡です。<br />(ゲスト講師をお招きするゼミも、次回がラストです)<br /><br />【第6回評価ゼミ】<br />--------------------------------------------------<br />■テーマ:「アートプロジェクトの評価:継続・発展・振り返り編」 <br />■ゲスト講師:インディペンデントキュレーター/<br /> remo(NPO法人記録と表現とメディアのための組織)理事 雨森信さん<br />■日時:2010年12月14日(火)19-21時 <br /> ・19:00~20:30 雨森さんレクチャー<br /> ・20:30~21:00 質疑・応答、ディスカッション<br />■会場:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />----------------------------------------------------<br /><br />第6回は、「長期にわたって行われているアートプロジェクト」が<br />どのように評価されているのかを考える回です。<br />継続と発展につながる「振り返り」とは?<br />「振り返り」による継続・発展の基盤づくりとは?<br /><br />ゲストの雨森さんには、2003年から続く<br /><a href="http://breakerproject.net/">「ブレーカープロジェクト」</a>を題材にお話いただきます。<br />今春、大学と共同で「ブレーカープロジェクト」の評価をまとめたそうです。<br /><br />配布資料は下記です。<br />・2008年度プロジェクトマップ<br />・2009年度プロジェクトレポート<br /><br /><br />長期にわたる活動の評価や振り返りは、<br />前回ゼミの「アサヒ・アート・フェスティバル」や、<br />同じく前回セルフリサーチ用に総括報告書を配布した<br />「大地の芸術祭」などの事例も参考になります。<br /><br />それらとも比較してみながら、雨森さんのお話をうかがうと、<br />共通点や相違点が浮き彫りになるかもしれません。<br />楽しみですね。<br /><br /><br /><br />【若林】evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-45320283010428229972010-12-05T17:26:00.006+09:002010-12-11T16:47:12.118+09:00レポート|第5回「アートプロジェクトの評価:ピア・モニタリング編」<b>ゼミ生/増崎孝弘</b><br /><br /><br />11月16日、第5回の評価ゼミのテーマは「ピア・モニタリング」(ピアとは、同等・同格・同僚・対等者・・・といった意)。今回のゼミのゲスト講師には、アサヒ・アート・フェスティバル(以下、AAF)の事務局長を務める芹沢高志氏を迎え、氏がAAF参加団体のネットワークから相互評価・検証の仕組みをいかにつくり上げてきたのか、その過程における苦労、そして今後の展望など、貴重なお話を伺いました。<br /><br /><table style="WIDTH: auto"><tbody><tr><td><a href="http://picasaweb.google.com/lh/photo/FyYYRVgg4lvcq_V33d4Mqg?feat=embedwebsite"><img src="http://lh5.ggpht.com/_d6LhWhUpQ30/TP9LeOo9BGI/AAAAAAAAAbw/YEQtbGm9QLg/s400/P1010586.JPG" width="300" height="400" /></a></td></tr></tbody></table><br /><br />現在のAAFは以下の3つのまとまりがが中心となって動いている<br />① 期間限定の企画の集合体としての「AAF参加プログラム」<br />② 一度参加した団体を恒常的にネットワーク化し、新規の企画・団体を視察・支援したり、困難を協議したりするような人的交流の場としての「AAFネットワーク」<br />③ AAF参加プログラムの選定、AAFネットワークのマネージをする機関として、個人の集合としての「AAF実行委員会」 <div><br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">Ⅰ.AAFの歴史と評価の問題への対応</span><br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">評価の問題が立ち上がるまで</span><br />2002年、それまでのアサヒビールのメセナ活動を集約する形で発足したAAFは、翌年にはトップダウン的な総合ディレクター制を廃止し、既存の企画を束ねていくフェスティバル形式へと移行。<br /><br />それに伴い、全国から実行委員会への参加者が増加、ボトムアップ式で様々な企画が上がる。有限の資源の中で資金の分配・企画の選定などを行う制度的な枠組みの必要性が高まった。<br /><br />2005年、公募制へ移行。70近い企画が集まり、30ほどを選定。選定された団体の相互交流支援のために設置された「ネットワーク会議」で、地域社会と向き合っている各団体の共通の問題解決に資する相互交流、ピア・モニタリングの重要性が明らかになった。2006年には「評価」という単語への現場の根強いアレルギー反応を踏まえ、「検証」という言葉をAAFとして使っていくことを合意。<br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">検証体制形成の経緯詳細</span><br />2004年、AAF2004の参加プログラムのひとつとして、評価を考えるアートマネジメント講座「ひぐれ学校」が開校される。翌年講座の卒業生が実行委員会に入り、AAF2005年の評価を実施した。非専門家集団による評価報告書が完成。<br /><br />2006年、より専門的な手法による調査へ。NPO法人アートNPOリンクによる検証チームを導入し、統計学などに基づいた新たな評価手法の開発を目指す。しかし、厳密な評価項目の設定に、現場では反発も強まってしまった。<br /><br />2007年は前年度を踏まえ、現場レベルでは事前事後の自己検証に留め、モニタリングはドキュメントチームを結成し各地を巡回させ、そのレポートを検証委員会(実行委員会と外部専門家で構成)によってチェック。しかしチームのレポートの質にバラツキが課題になる。<br /><br />2008〜09年は、そのドキュメントにある程度フォーマットを設定、検証委員会が実際にモニタリングして検証の質を統一する方向性へ進み、現在は、「同業者である企画選定者が、自ら選んだ企画を評価する」というピア・モニタリングの構図を重視し、選考委員会(実行委員会から立候補・互選され、そこに外部委員が加入する組織)が検証委員会を兼務する制度で落ち着いている。<br /><br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">Ⅱ.評価のそもそも論</span><br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">アートプロジェクトを評価することは可能なのか?</span><br />元々自身が所属していた環境アセスメントのシンクタンクで、当時の米国での環境影響評価(EIA)という政策決定手法に影響を受けた。しかし異様に細分化された個別の指標における変化測定の技術的精度の高まりの半面、全体計画の意思決定・評価という問題に対して、EIAの問題点も指摘され始めていた。<br /><br />2006年の検証チームの専門家が現場の混乱に対し言ったことは、「計画なくして評価なし」。目標値を設定し、現状が目標値からどれだけ離れているのかを測定するのが評価であり、計画がない漠然とした状況ではどんな技法を持ってこようが「評価はできない」。<br /><br />t時間後の変化を予測する・・・といったような直線的な計画の概念は非常に洗練された。しかしそのアンチテーゼとしての「ゆらぎ」、円環的・螺旋的な計画は可能なのだろうか?<br /><br />システム論者のエリッヒ・ヤンツがインフォメーション・ポテンシャルという概念を残したように、プロジェクトの価値は、次にくる予期しないプロジェクトをどれだけ生み出す潜在能力を持っているか?というアートプロジェクト評価も成り立つ。おそらく既存の直線的評価システムをある程度使いつつ、それ外側にある変化・ゆらぎ・予期せぬものの生成といった項目を新たな手法で評価する、そういったバランスが必要である。しかしその新たな手法に関しては、未だに断定的に言えるような段階にはない、これからの課題である。<br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">AAFにとってのピア・モニタリングの可能性</span><br />AAFはアサヒビールという私企業のメセナであり、パブリックなミッションを持っているものの、税金を使ったプロジェクトとは一線を画している。「何かを世の中に問いかける」ことをある種戦略的に打ち出すために、あえて当事者間で選定・投資をしていく、そういった姿勢も許容されうる。もちろんそれは閉鎖的な当事者による「うちわ」の議論ではない。そのプロセスは開かれているし、フェアな過程である。<br /><br /><br /><b><span class="Apple-style-span">Ⅲ.質疑</span></b><br /><br />Q.芹沢さんが関わった事例のプロジェクト・ポテンシャルを見る際に、具体的にどの側面に注目すればいい?<br /><br />A.横浜トリエンナーレでは、トリエンナーレ全体の計画の中では傍流・予期しない展開がきっかけとなって生まれたZAIMやハマコトリといった存在がある。別府では、わくわくアパートメントという偶然性から生まれた企画があり、そこで生まれたネットワークが今では京都などで新たな展開を生み出しつつある。これらは、僕の中でプロジェクトの積極的な評価の対象になる。<br /><br /><br /><span style="FONT-WEIGHT: bold">Ⅳ.感想</span> <div><span style="font-size:0;"></span><span class="Apple-style-span"><b><br /></b></span>様々なプロジェクトに関わったアートディレクターとしての現場感のみならず、環境アセスメントという、「直線的で洗練された」評価システムの只中に身を置いていた経験から、いかにアートがそういう評価に馴染まないか、そしてオルタナティブはありうるのか、という問題に対し客観的かつ積極的な議論をしてくださる、非常に稀有な方だと感じました。<br /><br />AAFがたどり着いたピア・モニタリング的検証システムは、「直線的」評価と、「螺旋的」評価の間のバランスをうまく取った、アートプロジェクトのポテンシャルを測る一つの有効な可能性だと思います。しかしそこへの到達には非常に長い期間、多くの人間のコミットが前提となります。また芹沢さんがおっしゃる通り、私企業のメセナだからこそできる部分もあると思います。<br /><br />純粋な市民活動・企業メセナ・国や自治体の政策、またその混成など、様々なプロジェクトの性質に応じた有効な評価モデルをバランスよく組み合わせていくこと。これからの社会と芸術の関係を判断する上で、AAFの9年にわたる評価問題との格闘の歴史は、そのアプローチに大いに参考になるものだと思いました。</div></div>evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-33036670602955696372010-12-01T04:47:00.000+09:002011-03-04T17:31:22.572+09:00研究会4|議事メモ第4回TARL評価ゼミ研究会<br />日時:2010年11月29日(月)19時-<br />場所:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />内容:<br />1)前回の議論の振り返り<br />2)事例報告 東京アートポイント計画の評価<br />3)ディスカッション<br /><br /><table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/4bXVwSRcek6KG_H-IOaKvSSIlz-rAUnFJFhPWEqYnpA?feat=embedwebsite"><img src="https://lh5.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TP_njvlH7rI/AAAAAAAAAcE/P_crj5Pii9Q/s400/IMG_4552.JPG" height="300" width="400" /></a></td></tr></table><br />以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。<br /><br />■ 事例報告をうけて<br />・ AAFのようなフラットな関係ではなく、アートポイントは比重があるのでは。「可能性の評価」に近い。全体の配分のなかで、段階や状況が違うプロジェクトが組まれている。価値的なものが入っている感じがする。<br />・ そういう意味では、ピアメンタリングが難しいのでは。逆にピアメンタリングはみんながフラットだったら、成り立たないのではないか。お姉さんやお兄さん的な立場があったほうがいい。<br />・ 弟がお姉さんを評価するのは可能なのか。教師と学生の評価がありえるから、どちらでも意味をもちうるだろう。<br /><br />■ インタヴューの手法<br />・ アートプロジェクトはアートを評価できるのか、という芹沢さんの投げかけ。たとえばインタヴュー調査をするときでも可能性や展開可能性を引き出したり、次の展開まで踏み込める何かを提示していく必要があるかもしれない。<br />・ そうすると具体的にどういう方法がありえるのか。インタヴューしていく人が価値化をしていくのか。<br />・ インタヴューをする人で、出てくる意見が変わってしまう。出てくるエピソードが恣意的になってくる。同じ質問内容でも違ったトーンの回答が出てくる。<br />・ インタヴュー対象者の選び方や聞き手によって変わってくるのではないか。<br /><br />■ 結果の提示の仕方<br />・ 評価をするときに課題や問題点が分かっているから、次のステップを提示できるはず。マイナスな部分の扱いをどうしていくのか。課題があるから「次にどうしようか」という視点が出てくるはず。<br />・「問題は分かっているが、人が足りない、お金がない」で終わってしまうのではなく「課題だから次どうするか」というものを、どうすれば一緒に見つけていけるのか。<br />・ 話しを聞くのがいいのか。その先に何かを提示したほうがいいのか。<br /><br />■ 内堀と外側の調査スタンス<br />・ 内堀で一緒にやっていくならば、外側の調査をするときに「内側の人です」と言うか「外側の人で内側にフィードバックする」と言うか。<br />・ 外側は外側、内側は内側でインタヴューも報告書も分けたほうがいいのでは。いいエピソードが出たとしても、ぐぐっと留めて分けていく。実際にやってみると、結局混ざってしまうのではないか。<br />・ 外に出すインタヴューとして始まっても、公開の確認の時点で公開できなくなってしまうことがある(削除依頼)。<br />・ 通りいっぺんの話(たとえば商店街が活性化したなど)しか出てこないことがある。でも、逆にそれは外向きにはぴったりなのではないか。わざわざ対面インタヴューなのに、通りいっぺんのストーリーが出てくる!みたいな(そういう話しを集めるにはアンケートがやりやすい)。<br />・ 現場を見ている雰囲気が重要になってくるのではないか。可能性を見ていくには。<br /><br />■ 東京アートポイント計画という傘<br />・ 東京アートポイント計画全員で最後にミーティングをしてはどうか。<br />・ 東京全部のなかでどんな位置づけ(どんな可能性があって)ということから、東京アートポイント計画を考えていかなければならないのでは。<br />・ そもそも(共催団体が)他を意識したり、大きな活動のなかでやっているという意識があるのか。<br />・ 共催企画としてやっているので、ひとつひとつのアイデンティティが強くて、東京アートポイント計画としての傘で考えることはないのか。大きな傘をよりよくしていこうという考えは難しいか。<br />・ 東京アートポイント計画以外のプロジェクトも含めて、全体のプロジェクトで見ていくのはどうか。<br />・ プロジェクト全体の枠組みを問うようなやりかたができないか。企業が大きくなるときに明らかな他社をウィルス的なものを組みこむことがある(そういうやりかたがあるのではないか)。<br />・ その際の呼びかけは東京アートポイント計画なのか、評価をしたい外部の主体なのか。<br /><br />■ 傘の影響力と設定の仕方<br />・ 大きな傘のインパクトと魅力はあるが、M&A的な感じもする。小さなプロジェクトが、たくさん生まれてきた状態で、全体として底上げしていくのか、ということを考える状況もあるのではないか。<br />・ 傘に入れるときの双方の思い込みで路線が修正されてしまうのでは(個人でやってきた面白さがなくなってしまう)。<br />・ 傘に入れることで、よりに自由にやってもらおうと思ったはずなのに、共通の目標が出来てしまう…。<br />・ 知らないうちに傘に入っているのがいいのか。傘が目的をもってしまう(たとえば地域活性化)と問題。ガイドブックのようなかたちになってくるのか。るるぶ的な。<br />・ AAF傘に入ることの変更度は少ないのではないか。傘にあることのインパクトは大きいのでは。AAFのような活動がいっぱいあるんだ、と全体的な盛りあがりを生んでいるのでは。<br />・ お金的なものではないけど、テンションが上がったとか、周りからの知名度が上がったなど。<br />・ AAFのグループ企業のブランドのような影響力。とはいえ、それもAAFの恣意的な判断があったから。<br /><br />■ 他者をいかに巻きこむか<br />・ 芹沢さんの話しを聞いていて、AAFは開催2年目にディレクター制度をなくしたことは、大きなブレイクスルーだったのではないか。<br />・ たとえば偶然性の高い手法で選んでしまうとか。いきなり、他者を恣意性を排していれてしまうことの可能性。公募でも選考は恣意的になる。<br />・ 事業の枠組み自体を問い直すようなやり方ができないか。全然理解しえない人や知らなかった人と、どのように入れていくのか。<br />・(同じような価値観をもった人々の)ピアメンタリングなやり方、違う価値観をもった人も入ってくる方法。前者は東京アートポイント計画では可能だけど、後者は呼びかけることに「勢力意図」みたいなものが出てしまうだろう。<br />・ 東京のキャベツモデルを年に1回、書き換える場。大きな勢力としての東京アートポイント計画が見えてくるかも。<br /><br />■ 次回のこと<br />・ 議論は出尽くしている。方向性は何となく確認できているのではないか。<br />・ これまでの意見をまとめていけば、何か見えてくるのではないか。<br />・ それから、何かアクションを起こすのにも遅くはない。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-57549793199517467962010-11-30T18:12:00.036+09:002010-12-14T16:26:12.472+09:0011/16、第5回ゼミ開催全8回の評価ゼミ。<br />いよいよ後半に入った11/16の第5回ゼミは、<a href="http://www.p3.org/">P3 art and environment </a>エグゼクティブ・ディレクター/<a href="http://www.asahi-artfes.net/">アサヒ・アート・フェスティバル(AAF)</a>事務局長の芹沢高志さんをゲストにお迎えしました。テーマは、「ピア・モニタリング」=同種の活動を行う関係者による相互評価です。<br /><br /><p><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 10px; WIDTH: 389px; DISPLAY: block; HEIGHT: 358px; CURSOR: hand" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5549378794174738242" border="0" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEhR5Y5_UCK518X2HKEFmBaFbhSTvzX3QB8W-57knEiCz9ZKv2OzVVWxT_Ph_oYGl0YK6kXPO40C1MPrIpNqWNWbY5MjGXfZ2lijaY57hpYNx1F51AksxcIKSJNaZeo5W48AJS2FK8QI81gn/s400/%25E2%2598%2585P1010629_R.JPG" /><br />さて、なぜこの評価ゼミで「ピア・モニタリング」を取り上げたかといいますと…。<br /><br />もう10年近く前になりますが、ロビーコンサートを開催していたある企業のメセナ担当者が、「ベンチマーク、ベンチマーク!」といいながら、スタッフを引き連れて、他社のロビコンを見学していたことがありました。「なるほど、メセナでも<a href="http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%B3%E3%83%81%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%B0">ベンチマーキング(wikipedia)</a>か、企業らしい」と思ったのですが、同じ頃、「メセナ留学」という、他社のメセナの現場運営に1日参加する試みに強い興味を示す担当者さんもでてきたりしました。メセナ関係の会議のたびに、超ライバル企業同士の担当者らが悩みを真剣に話し合っている様子にも驚きました。メセナ業界では、同種の活動をする人同士が最高の助言者であり、理解者、よき相談相手、時に厳しくも貴重な忠告者なのだということが自分の中でみえてきました。<br /><br />これを、どうにか企業メセナ担当者が長年悩んできた「評価の仕組み作り」にいかせないかと考えていたところ、「ピア・モニタリング」というものがあることを知りました。メセナの調査でお世話になっていた当時三和総研の太下義之さんも、確か「ピア・レビュー」という言葉で、メセナ評価についてアドバイスをくださったことがありました。 こうした<仲間による評価>は、メセナ含む非営利セクターの活動、特に活動をよりよいものにするための検証手段としては有効ではないだろうかという、直感のようなものがありました。<br /><br /><br />私自身は今もなかなかこれを仕組み化できずにいるのですが、2003年にアサヒビールのメセナ評価を取材した際に、協働相手であるNPOに「自社のメセナについて」の簡単なアンケートを提出してもらっていることを知りました。今でこそ、企業のCSR活動ではステークホルダーの意見を聞くためにアンケートを取ることは常識の域に入っていますが、当時の特にメセナ活動においては珍しいことでした。「ピア・モニタリング」の一種だと注目していたところ、アサヒビールはその後NPOとのパートナーシップ事業をメセナの主軸に据え、さらに本格的にAAFを展開するようになったので、その「NPOアンケート」も“本格的”になってきました。<br /><br /><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiDiiVr5G3-Y7Zg94aXYAuv3Bf3CYs7KGNSTJnoessQ9lr_6Qm0a7lla-h_fOOc742s_zFFQw98jYTqxb8ylp-gZekEjDGIJKU96YnxExh8qvBTI4i24Okbs5vLgnWb8lPBacZNb74WZhtS/s1600/AAF%25E8%25A9%2595%257E1.JPG"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 10px; WIDTH: 240px; DISPLAY: block; HEIGHT: 320px; CURSOR: hand" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5549382883426749474" border="0" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEiDiiVr5G3-Y7Zg94aXYAuv3Bf3CYs7KGNSTJnoessQ9lr_6Qm0a7lla-h_fOOc742s_zFFQw98jYTqxb8ylp-gZekEjDGIJKU96YnxExh8qvBTI4i24Okbs5vLgnWb8lPBacZNb74WZhtS/s400/AAF%25E8%25A9%2595%257E1.JPG" /></a><br />プロジェクトをいかに評価し、それをどのように活用していくのか等を考える「<a href="http://www.asahi-artfes.net/archive/2004/program/6.php">ひぐれ学校</a>」 という場をAAFに設けるなど、AAF初期段階から評価について、問題意識がありました。外から見ていると、とにかく愚直に、(いい意味で)しつこいほどに、アートプロジェクトの評価を試行錯誤しているように見えました。評価という言葉をやめて「検証」にしたり(<a href="http://evasemi.blogspot.com/2010/07/blog-post.html">第1回ゼミの付箋ワークショップ</a>で評価という言葉について訊ねたのは、AAFでの議論もあったからです)。そして、格闘している評価の中味は、まさに「ピア・モニタリング」といえるものでした。<br /><br /><br />日々、多くのアートプロジェクトに携わる方と話をしたり、JCDN(ジャパン・コンテンポラリーダンス・ネットワーク)やアートNPOリンクのようなネットワーク型NPOが次々と生まれてきたのを見るにつけ、アート業界も「同種の活動をする人同士が最高の助言者であり、理解者、よき相談相手。時に厳しくも貴重な忠告者」 だと感じます。アートプロジェクトの評価を考えるに当たっては、こうした「同士・同志」の役割も評価プロセスに組み込んでいくといいのではと思い、(自分がうまくメセナで仕組化できず気になっていることもあって)、ゼミのテーマのひとつに設定しました。もちろん講師は、「AAF評価格闘の歴史」を語っていただける芹沢さんに、と思ったのでした。 なぜそこまで、そして何を話し合ってきたのか、本ゼミとしてうかがえたらと思いました。<br /><br /><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 10px; WIDTH: 400px; DISPLAY: block; HEIGHT: 300px; CURSOR: hand" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5549379245939986306" border="0" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgn4-bnzcBTDpoe0XVaTvI7XbobaX2EEEcrQDB5ZK-2hIu3XAFhVjsNnZk34ayFVY39zRzRVniOFWfAT5VZ7sB4jVcifymmuRE6-YP5LJW0W1HIxZEpxs6XRRSvLm_1tEGnTlwrys157Kbt/s400/%25E2%2598%2585P1010573_R.JPG" /><br />芹沢さんのレクチャーの内容は、ゼミ生のレポートに譲りますが、印象的だった芹沢さんからの投げかけを1つ。 「仲間が行う評価の難しさもある。当事者の、当事者による、当事者のための評価も重要」――なるほどです。 ピア・モニタリングを考えるにあたって、「当事者」というキーワードもいただきました。<br /><br /><br />芹沢さん、お忙しい中ありがとうございました!<br />終了後は、近くの中華やさんで芹沢さんと楽しく交流しました。<br /><br /><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjXt_W1qf2wL-ulDDFsGVgacQsLkzdJcsWqcjoOcviWzFm4Z0vvXv2RBhQCpr6nCjfIoAGqtGaL_icq6kCnCFinaGYR86VssUwvJxg0JUPUWMWTls_HY5qBlFUJKDBtDI65Qw1zwNyOf2VX/s1600/%25E2%2598%2585P1010636_R.JPG"><img style="TEXT-ALIGN: center; MARGIN: 0px auto 10px; WIDTH: 400px; DISPLAY: block; HEIGHT: 300px; CURSOR: hand" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5549379741934282130" border="0" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjXt_W1qf2wL-ulDDFsGVgacQsLkzdJcsWqcjoOcviWzFm4Z0vvXv2RBhQCpr6nCjfIoAGqtGaL_icq6kCnCFinaGYR86VssUwvJxg0JUPUWMWTls_HY5qBlFUJKDBtDI65Qw1zwNyOf2VX/s400/%25E2%2598%2585P1010636_R.JPG" /></a><br />【第5回評価ゼミ】<br />-------------------------------------<br />■日時:2010年11月16日(火)19-21時<br />■会場:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />■講師:芹沢高志さん(P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター/AAF事務局長)<br />■内容:「アートプロジェクトの評価:ピア・モニタリング編」<br />関係者が相互に活動を検証しあう評価方法について、事例に基づいて学ぶ。 <br /> ・19:00~20:40 芹沢さんレクチャー<br /> ・20:40~21:00 質疑・応答、ディスカッション<br />----------------------------------------------------<br />※ピア【peer】…同等、同格の人、対等者、仲間、同僚、同級生、クラスメート、友人、同輩、同業者<br /><br /><strong>■講師プロフィール </strong><br />芹沢高志 (せりざわ たかし) <br />P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター/AAF事務局長 <br /><br />1951年東京生まれ。神戸大学数学科、横浜国立大学建築学科を卒業後、(株)リジオナル・プランニング・チームで生態学的土地利用計画の研究に従事。その後、東京・四谷の禅寺、東長寺の新伽藍建設計画に参加したことから、89年にP3 art and environment (http://www.p3.org/) を開設。99年までは東長寺境内地下の講堂をベースに、その後は場所を特定せずに、さまざまなアート、環境関係のプロジェクトを展開している。<br />帯広競馬場で開かれたとかち国際現代アート展『デメーテル』の総合ディレクター(2002年)、アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(2002年~)、横浜トリエンナーレ2005キュレーター、別府現代芸術フェスティバル2009『混浴温泉世界』総合ディレクター。慶応大学理工学部非常勤講師(2001年~2006年、建築論)。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、訳書にバックミンスター・フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』(ちくま学芸文庫)、エリッヒ・ヤンツ『自己組織化する宇宙』(工作舎、内田美恵との共訳)など。<br /><br /><br /><strong>■配布資料</strong><br />・レジュメ「アートプロジェクトの評価:ピア・モニタリング編」(芹沢高志)<br />・「アサヒ・アート・フェスティバル2005 評価報告書」<br />・AAF検証シート<br />・アサヒ・アート・フェスティバル2010 リーフレット<br />・アサヒ・アート・フェスティバル2010 報告会(11/20-21)案内<br /><br /><br /><strong>■参考情報</strong><br />・「アサヒ・アート・フェスティバル2010」 <a href="http://www.asahi-artfes.net/">http://www.asahi-artfes.net/</a> <br /><br /><br />【若林】</p>evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-24712298325382534442010-11-15T11:05:00.011+09:002010-11-15T11:44:34.352+09:0011/16第5回ゼミの参考資料(事前連絡)初期のゼミ写真をみると、皆さん半袖姿。<br />あれから夏が過ぎ、秋も深まりゆき、いよいよゼミも後半戦です。<br /><br />以下、第5回評価ゼミの事前連絡です。<br />-------------------------------------<br />■日時:2010年11月16日(火)19-21時<br />■会場:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />■講師:P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター/AAF事務局長 芹沢高志さん<br />■内容:「アートプロジェクトの評価:ピア・モニタリング編」<br />関係者が相互に活動を検証しあう評価方法について、事例に基づいて学びます。 <br /> ・19:00~20:30 芹沢さんレクチャー<br /> ・20:30~21:00 質疑・応答、ディスカッション<br />----------------------------------------------------<br />大枠のテーマは、ピアモニタリング=同種の活動を行う関係者の相互評価ですが、AAF(アサヒ・アート・フェスティバル)の検証事業をひとつの事例に、評価についてさまざまな角度からお話いただく予定です。<br /> ・AAFの紹介<br /> ・AAFにおける評価導入の変遷<br /> ・AAFの現状における評価手法<br /> ・評価について(一般論)<br /> ・予測/計画/目標/評価といった概念について、線形予測とアートとの関係性<br /> (従来型の評価がいかにアートプロジェクトには有効でないか) 他<br /><br />★参考情報<br />・「<a href="http://www.asahi-artfes.net/">アサヒ・アート・フェスティバル2010</a>」 <a href="http://www.asahi-artfes.net/">http://www.asahi-artfes.net/</a> <br /><br />★当日配布資料<br />・芹沢さんレジュメ<br />・「AAF2005 評価報告書」<br />・<a href="http://www.asahi-artfes.net/">アサヒ・アート・フェスティバル2010</a> リーフレット<br />・<a href="http://www.asahi-artfes.net/news/2010/10/aaf2011-2.html">アサヒ・アート・フェスティバル2010 報告会</a>(11/20-21)案内<br /><br /><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgigFtgEdZkKDoQhK6bPsiDIi3eUMuwrYngv1YEDq8aF0GrOqb5Nh6aa0B1JEJpgw4VOtNUGmyCOGRt0g_Oxw32FecEynsT3CQ-BNICCL1k0nNjdiKBm9lAW1UCQ6cWatTOTr62zMmnaUf2/s1600/AAF%25E8%25A9%2595%25E4%25BE%25A1%25E5%25A0%25B1%25E5%2591%258A%25E6%259B%25B8.jpg"><img style="MARGIN: 0px 10px 10px 0px; WIDTH: 240px; FLOAT: left; HEIGHT: 320px; CURSOR: hand" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5539600214905428322" border="0" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgigFtgEdZkKDoQhK6bPsiDIi3eUMuwrYngv1YEDq8aF0GrOqb5Nh6aa0B1JEJpgw4VOtNUGmyCOGRt0g_Oxw32FecEynsT3CQ-BNICCL1k0nNjdiKBm9lAW1UCQ6cWatTOTr62zMmnaUf2/s400/AAF%25E8%25A9%2595%25E4%25BE%25A1%25E5%25A0%25B1%25E5%2591%258A%25E6%259B%25B8.jpg" /></a><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><br /><span style="font-size:78%;"><br /></span><br /><br />※ セルフリサーチ用資料は、以下を配布します。<br />・「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2009」総括報告書(本編・資料編)<br /><br /><br /><br />【若林】evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-57170854622992950132010-11-14T23:19:00.007+09:002010-11-15T13:18:50.245+09:00文化庁「文化政策部会」で議論している「評価」のこと第4回ゼミの柴沼さんのお話を受け、行政、特に文化庁の評価について、もう少し共有しておきたいと思います。 文化庁に対して政策提言する方、文化庁から助成金を得ている/これから申請しようとしている団体、今後パブリックコメントを出そうと思っている方などには、おおいに関係ある話です。<br /><br /> * * *<br /><br /><a href="http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/seisaku/08_11_02/gijisidai.html">9/29に開催された文化庁の「文化審議会 第8期 第11回文化政策部会」</a> の議題の一つは、「政策目的・達成目標の在り方について」。 配布資料が公開されています。<br /><br />○資料4-1: <a href="http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/seisaku/08_11_02/pdf/shiryo_4_1.pdf">文部科学省(文化庁)における文化行政の政策評価(実績評価)体系(PDF:116KB)</a><br />○資料4-2: <a href="http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/seisaku/08_11_02/pdf/shiryo_4_2.pdf">文部科学省における事業評価(平成23年度対象事業の例)(抜粋)(PDF:284KB)</a><br />○資料5: <a href="http://www.bunka.go.jp/bunkashingikai/seisaku/08_11_02/pdf/shiryo_5.pdf">文化政策の評価について【吉本委員提出資料】 (PDF:152KB)</a><br /><br /><br /><a href="http://www.bunka.go.jp/bunka_gyousei/yosan/index.html">来年度の文化庁予算の概算要求</a>には、「日本版アーツカウンシルの試行的運用」が掲げられており、PDCAサイクルを回す、つまり「評価」を行うことが明記されています。<br />どのような評価方法が効果的か、文化政策部会で今後も議論されていくのでしょうか。本ゼミとしてもフォローしていきたいと思います。<br /><br />上記配布資料の「5番」、ニッセイ基礎研究所の吉本光宏さんがレクチャーされた際の資料は、大変参考になります!ぜひご一読を。<br /><br /><br /><br />【若林】evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com1tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-58306826261722874872010-11-14T21:24:00.023+09:002010-11-15T13:16:54.865+09:00行政の政策評価~文化庁の評価の現状第4回評価ゼミで、講師の柴沼雄一朗さん(総務省行政評価局)から、文化庁の事業についても相当なボリュームがある細かな評価結果がまとめられている、調べれば確認可能とのお話がありました。<br />何がどのように評価されているのでしょうか?その手法は? 文科省や文化庁の行政評価の現状は、しっかりフォローしておきたいところ。 下記に、いくつか事例をまとめます。<br /><br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/index.htm"><strong>■文部科学省の実施する政策評価</strong></a> (文科省サイト)<br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/index.htm">http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/index.htm</a> <br />文科省の政策評価の方針(柴沼さんのお話にあった国の方針に沿った内容)や、「実績評価書」(H13年~)、「事業評価書(新規・継続事業)」(H14年度~)、「規制に関する評価書」(H16年~)、「総合評価書」などが公開されています。独立行政法人評価の結果も掲載(これは以下で別途説明)。<br /><br />例えば…昨年度(2009年)新規事業として始まった「アートマネジメント重点支援事業」がどのような展望のもと、どのように事前評価され、公表されていたか、みてみましょう。<br /><br />⇒「<a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105.htm">文部科学省事業評価書―平成21年度新規・拡充等―</a>」 の中で、「平成21年度 文部科学省新規・拡充事業 」の「政策目標12 文化による心豊かな社会の実現」という枠の中で、新規事業として事前評価されています→ <a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/kekka/08100105/101.htm">「97.アートマネジメント重点支援事業(新規)【達成目標12-1-2】」</a>。<br /><br />点検項目は、下記の通り。<br />◎事業の概要等<br /> 1.事業目的<br /> 2.事業に至る経緯・今までの実績<br /> 3.事業概要<br /> 4.指標と目標 ([指標] [目標] [効果の把握方法])<br />◎事業の事前評価結果<br /> A.19年度実績評価結果との関係<br /> B.必要性の観点<br /> 1.事業の必要性<br /> 2.行政・国の関与の必要性(官民、国と地方の役割分担等)<br /> 3.関連施策との関係 (①主な関連施策 施策目標12−1 、②関連施策との関係)<br /> 4.関係する施政方針演説、審議会の答申等<br /> C.有効性の観点<br /> 1.目標の達成見込み<br /> 2.上位目標のために必要な効果が得られるか<br /> D.効率性の観点<br /> 1.インプット<br /> 2.アウトプット<br /> 3.事業スキームの効率性<br /> 4.代替手段との比較<br /> E.公平性の観点<br /> F.優先性の観点<br /> G.総括評価と反映方針<br />◎指摘事項と対応方針 (【指摘事項】 【指摘に対する対応方針】 )<br /><br />※気になるのは、冒頭に「事業開始年度:平成21年度、事業達成年度:平成25年度」とありますが、この新規事業、1年で終わってしまったんですよね…。せっかく評価方針や目標達成度の評価指標を定めても、事業がたった1年でなくなってしまったら、事前評価の時間や労力がもったいない。 ところで、このように「事業をやめると決める/決めた時の評価」については公表されていないようです。<br /><br /><br /><strong><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1293397.htm">■文部科学省 行政事業レビュー</a></strong>(文科省サイト)<br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1293397.htm">http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1293397.htm</a> <br />予算の支出先や使途の実態を把握し、改善の余地がないか事後点検を行う「行政事業レビュー」を、文科省も実施。レビュー対象事業の事後点検内容=「レビューシート」を公表しています。<br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1297181.htm">次年度概算要求への点検結果の反映状況</a>も公表。<br /><br /><br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1295386.htm"><strong>■文化庁レビューシート</strong></a> (文科省サイト)<br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1295386.htm">http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1295386.htm</a> <br />レビュー対象事業の「レビューシート」を個別に公開。 点検項目は次の通り:<br />1)予算事業名<br />2)事業開始年度<br />3)レビュー作成責任者<br />4)担当部長局<br />5)担当課室<br />6)会計区分<br />7)上位政策<br />8)根拠法令(具体的条項)<br />9)関係する計画、通知等<br />10)事業の目的(目指す姿)<br />11)事業概要<br />12)実施状況<br />13)予算の状況<br />14)自己点検:支出先・使途の把握水準・状況/見直しの余地<br />15)予算監視・効率化チームの所見<br />16)補記<br />17)資金の流れ(資金の受け取 り先が何を行っているかについて補足)<br />18)費目・使途(「資金の流れ」においてブロックごとに最大の金額が支出されている者について記載。使途と費目の双方で実情が分かるように記載)<br />19)「複数支出先ブロック」の支出先一覧(上位10機関)<br /><br />ちなみに、レビュー対象となっている事業には、以下のようなものがあります(一部抜粋)。<br />0453 メディア芸術振興総合プログラム<br />0455 新進芸術家の養成・発表への支援<br />0456 芸術団体等が行う養成・発表機会の充実<br />0459 「文化芸術による創造のまち」支援事業<br />0460 地域人材の活用による文化活動支援事業<br />0461 地域文化活動活性化推進事業<br />0465 日本芸術院会員年金の支給等に必要な経費<br />0466 独立行政法人国立美術館運営費交付金に必要な経費<br />0469 独立行政法人日本芸術文化振興会施設整備に必要な経費<br />0470 文化財の維持管理等の推進<br />0471 文化財保護対策の検討等<br />0472 美術館・博物館活動の充実<br />0473 鑑賞・体験機会等充実のための事業推進<br />0491 文化政策企画立案<br />0492 文化ボランティア活動推進事業<br />0493 文化政策情報システムの整備<br /><br /><br /><strong><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/d_kekka/main10_a11.htm">■独立行政法人の評価</a></strong><br /><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/d_kekka/main10_a11.htm">http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/d_kekka/main10_a11.htm</a> <br />各年度毎に、業務実績に係る評価が夏ごろ発表される(例:<a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/hyouka/d_kekka/1297176.htm">「平成21年度に係る業務の実績に関する評価及び中期目標に係る業務の実績に関する評価について」</a>) 。<br />実際の評価結果は、法人ごとにまとめられています。文科省関係(文化系)の独法「日本芸術文化振興会」の評価も公表されています。<br />⇒「<a href="http://www.mext.go.jp/component/b_menu/other/__icsFiles/afieldfile/2010/08/31/1297162_18.pdf">独立行政法人日本芸術文化振興会の平成21年度に係る業務の実績に関する評価</a>」(PDF:1499KB) 。<br /><br />※全部で86ページと膨大。これは事前の指標設定にも、評価そのものにも相当な労力がかかります。たとえ一般に公表されても、読むのだけで一苦労。行政が事業評価結果を公表することの最大の効果のひとつ=「議論の喚起」には繋がりにくいように思えます。<br /><br />【最後に番外編】<br /><strong><a href="http://www.mext.go.jp/a_menu/kouritsu/detail/1297185.htm">■事業仕分け結果・国民から寄せられた意見と今後の取組方針について</a> </strong><br />行政刷新会議の事業仕分けの対象となった文科省の事業についてパブコメを募集。その結果を受けて発表した今後の取り組み方針。<br /><br /><br />【若林】evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-56899991620556901532010-11-03T20:21:00.007+09:002010-12-11T16:47:59.343+09:00レポート|第4回「行政の政策評価」<b>ゼミ生/小林寛斉 </b><br /><br /><span class="Apple-style-span" style="font-size:large;"><b>Ⅰ.柴沼さんのお話の内容</b></span><br /><br />第4回の評価ゼミでは総務省行政評価局の柴沼雄一朗さんを講師に迎えました。 これまでの二人の講師はアート関連業界からでしたが、今回は現役国家公務員で、かつご所属もアートとは距離の遠い部署。アートに関するゼミにおいては異色の講師が、普段あまり馴染みのない国の政策評価制度について親切、丁寧に説明してくださいました。<br /><br /><br /><table style="WIDTH: auto"><tbody><tr><td><a href="http://picasaweb.google.com/lh/photo/x9wF7VDvncxlfSVM0gpMHvCLvgQPoihrDep72eh4uUk?feat=embedwebsite"><img src="http://lh6.ggpht.com/_d6LhWhUpQ30/TLamINeTJVI/AAAAAAAAAYY/43IPFlpogqI/s400/P1010415.JPG" width="300" height="400" /></a></td></tr></tbody></table><br /><br /><br /><b>1.行政評価制度導入の背景</b><br />かつて行政組織の最優先事項は、①新しい法律を作る、②新しい予算を通すことの二点であった。しかし、①法律を成立させることまでが関心事で、どう執行されるかが省みられない、②(国であれば)財務省主計局に説明して予算を通すが、実際にどう使われたかの検証が乏しい、などの批判を受けることになった。90年代、厳しい財政状況や右肩上がりの成長を前提としたそれまでのシステムが限界を迎え、行政にも効率が求められるようになった。そこで、三重県を皮切りに自治体でまず評価制度が取り入れられた。国に導入されたのは、橋本行革の時である。<br /><br /><br /><b>2.政策評価制度の特徴</b><br />各省庁による自己評価が基本である。その理由は、①作った法律、とった予算についてきちんと省みるようにするため、②情報を網羅的に把握しているため、重要な情報が出やすいため、である。自己評価では各省庁の「お手盛り」になってしまうのではないかという批判がある。その批判に対しては次の三つの対策が取られている。①客観的になるような基準を設ける(例;数値目標)、②第三者の目を入れる(例;有識者の評価)、③プロセスを透明化する(例;ダム建設にあたっての根拠の試算方法などを公表する)。<br /><br /><br /><b>3.政策評価の方式</b><br />評価方式は三種類ある。①事業評価、②実績評価、③総合評価。事業評価は細かい単位、実績評価・総合評価は大きな括りでそれぞれ評価する。目標はスローガン的なものではなく、具体的に定めることが重要である。「いつまでに」 といった期限も設ける。<br /><br /><br /><b>4.今後の課題 </b><br />柴沼さんの個人的な所感。より良い評価をするための今後の課題。<br /><br /><b>自己評価と第三者評価のバランス </b><br />自己評価は網羅的に情報を把握している主体が評価するという利点がある一方、不利な情報が出づらいという欠点がある。他方、第三者評価ではある程度の客観性は確保できる利点があるが、情報を網羅的に把握するのが困難で、部分的な面で評価することになるという欠点がある。<br /><br /><b>予算との関連 </b><br />予算には限度額という一定の制約がある中(相対的)、評価の客観性(絶対的)をどのように確保、反映するのか。<br /><br /><b>ミクロなレベルの評価とマクロなレベルの評価 </b><br />ミクロなレベルの評価は数字など客観化しやすく予算と結びつけやすい。しかし、マクロなレベルの評価であると、戦略など政策論争的な抽象的な議論になりがちであり難しい。<br /><br /><br /><b>5.質疑応答 </b><br />※一問一答ではなく、柴沼さんが答えた内容をいくつかの項にまとめました。<br /><br /><b>評価制度の狙い</b><br />今までの行政は一度決めたことを中止することは困難であった。しかし、 評価制度があることで、事後検証をする材料を提供する。 それによって行政も事業の見直しや方向転換ができるようになった。<br /><br /><b>事業仕分けについて</b><br />事業仕分けでは少ない資料で分かりやすい説明が求められる。「一般人の理解の範囲内」で議論をする。「専門性」を背景にして材料を積み上げている行政評価局からすると、かなり対極な世界である。陥りがちなのは全体像から一部だけを切り取って判断しがちなことだが、一般人の感覚で大胆に結論を下すことは、それはそれで一つの評価である。行政にショックを与える仕組みとして機能しており、また事業自体に関心を集めるという点でも成功していると思う。<br /><br /><b>アートを評価するにあたって</b><br />何を評価するにしても出発点は目標を設定すること。目標を具体化していかなければ評価できない。価値観と価値観の評価はできない。アートを評価するに当たっても目標を具体化する必要がある。例えばリサイクルをテーマにした芸術活動をした場合。芸術では二流三流でも、ものすごくテーマ性があって、来た者全員がその活動に強い印象を受けて帰ったとする。その場合、仮にリサイクルの普及という点で判断すれば良い評価になる。一方、芸術性で判断したらまた違う評価になる。<br /><br /><b>評価のコストについて</b><br />評価自体にコストがかかる。公共事業の評価であれば、研究会を開き、何回も議論し、評価する際の指標を決めて計算をする。非常に手間暇がかかる。そこでコストに見合うような合理的な評価について考える必要がある。実際には、たくさんの評価対象がある中でターゲットを絞り重点的に取り組んでいる。そのようにして深く掘り下げていかないとなかなか問題点が見えてこないこともある。<br /><br /><br /><table style="WIDTH: auto"><tbody><tr><td><a href="http://picasaweb.google.com/lh/photo/GPcfV3FYtV88n_-NGS9BFfCLvgQPoihrDep72eh4uUk?feat=embedwebsite"><img src="http://lh4.ggpht.com/_d6LhWhUpQ30/TNGaeTuh7OI/AAAAAAAAAbA/_aWmwRwrvQQ/s400/IMG_4480.JPG" width="400" height="300" /></a></td></tr></tbody></table><br /><br /><br /><b><span class="Apple-style-span" style="font-size:large;">Ⅱ.感想</span></b><br /><br />柴沼さんがしきりに「議論」という言葉を使っていらっしゃったのが印象に残りました。「議論」を始めるためにはある程度客観的な指標やルールの共有が必要です。そうでなければ、水掛け論に陥りがちだからです。柴沼さんによれば「価値観と価値観の議論はできない」となります。価値観ではなく、同じ土俵で議論をしなければなりません。<br /> 「事業仕分け」も一つの議論の場です。事業仕分けに対して柴沼さんは 「評価方法のひとつであり、今までにない発想でインスピレーションを得ている」とおっしゃってました。これは意外でした。事業仕分けは各省庁側の人間には厳しいものと思っていたからです。それと同時に柴沼さんの発言には一貫性があるとも思いました。柴沼さんは繰り返し、「議論をするために目的、目標を具体化する必要がある」とおっしゃっていました。事業仕分けの目的は「一般人の常識で行政のムダをなくす」というものです。その目的の是非で争わず、その価値観を受け入れた上で議論に挑む柴沼さんには、評価制度に携わる者としての気概と可能性を感じました。<br /> 事業仕分けも専門的観点の判断の欠如という弱点があるように、万能な評価手法というのは存在しません。それぞれの評価手法のメリット、デメリットを把握し、議論を深めていくことが大切だと思いました。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-38041879766855525632010-11-01T04:41:00.000+09:002011-03-04T17:11:09.092+09:00研究会3|議事メモ第3回TARL評価ゼミ研究会<br />日時:2010年11月1日(月)19時-<br />場所:小金井アートスポット シャトー2F<br />内容:<br />1)前回の議論の振り返り<br />2)事例報告 静岡県立美術館の評価<br />3)ディスカッション<br /><br /><table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/qkKQ0LFHd_fj_Ti3E9ZC3PR1sjjs_Aldg3hgAE1FNAs?feat=embedwebsite"><img src="https://lh6.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TP_n6xhP5uI/AAAAAAAAAcs/ziQM0xM9kdo/s400/IMG_4517.JPG" height="300" width="400" /></a></td></tr></table><br />以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。<br /><br />■ 事例報告を聞いて<br />・ どこまで、誰が評価の作業をするのか。投入できる資源と目標を設定しないと「ないものねだりのスパイラル」に陥るのではないか。再現のない天井を追い求めるようになる。<br />・ 「具体的に記述しろ」という発言(じゃあ、どこまで具体化すればいいのか)。<br />・ 誰か評価の材料を調査し、まとめているのか(学芸員では展覧会の仕事との兼ね合いが難しくなるのではないか)。<br />・ 客観的に自分を見つめ直すこと(日記を書くような)で意識改革(意識化)をできるのではないか。<br />・ あまり重箱の隅をつつくようなことばかりしていても、現場には届かなくなってしまう。ある種の緊張感をもったものにしなければ意味がない。<br /><br />■ アートプロジェクトと美術館<br />・ たとえば美術館のアクセスが問題にあがったときにどのように考えるか(ハード面はどうにもならない問題なのでは)。<br />・ アートプロジェクトは地域との関係が評価軸にあがる。そこでの関係をつくりすぎて膠着することの問い直しを誰が、どのように検証できるか。<br /><br />■ 評価の視点<br />・ 定性/定量と量的/質的という視点がある。学芸員のコメントは定性的だが、(評価の)考え方は量的なのではないか。数値の代わりに言葉なのだけれど、根本的な考え方は物語的ではない(処理が数的になってしまう)。<br />・ 年度ごとの目標で活動の歴史とあわせて変化されていくのはどうか(⇔ずっと共通の評価軸)。評価対象の活動段階にあわせたもの。<br /><br />■ 評価と制度<br />・ ポジティブな評価とは何か。感覚的にでも展覧会が面白くなっているかが大事になってくるのではないか。評価に意味はあるが、想定の範囲内は越えないのではないか。<br />・ 評価では「制度」を考えなければならないのではないか。美術館のオルタナティブとしてのアートプロジェクトが出てきたとしたら、既存の制度の枠組みで捉えることはできないのではないか(「アートプロジェクトと評価」は、もともと矛盾をはらんでいる問題設定なのではないか)。<br />・ 近年の評価圧力はアートプロジェクトが「制度」の枠内に収められていくような流れなのではないか。<br />・ 評価の定義を「制度内の評価」とするのか、「制度未満まで評価」(自由で不確実なもの)とすることができるのか。後者へ対応することができるのか。<br />・ たとえば制度と評価が対応しているとすれば、評価は制度内のもの、未来のものは内部のマーケティングとしてしまうこともできる。「評価」という言葉は相応しくないのではないか。<br />・ 制度を前提としない「評価」では、そもそも評価を求められていないのではないか。<br /><br />■ 評価の「外堀」と「内堀」<br />・ アートプロジェクトは行政主導が多い。そうすると目的とする地域づくりの評価になりがち(そもそも評価はそうなのではないか)。アーティストの自由な活動が目的ではない。<br />・ 運営側やアーティストの本当にやりたいことは何なのかを評価という言葉ですくいあげることができたら。アーティストの活動を評価するのか。批評と評価はどうするのか。<br />・ 漠然と違う方法があるのではないかと思っているが、別の方法が具体的には見えてこない。<br />・ 本当に新しい手法が出てきたときに、まずわれわれがどのように対峙できるのか。<br />・ 評価できないゾーンを報告しないゾーンにいれてしまうか、徹底的に記述してしまうか。<br />・ 大きな変化が見えてきたら(見える状態にパッケージ化されたならば)外に出すようにする。<br />・ (がっちり見えるようにして説明を行なう)外堀と(内側の判断で公開を制御する)内堀があるのではないか。内堀をつくらなければ実験的なアーティストの活動を後押しできない。<br />・ 成長を後押しする評価は外に公開する必要はないかもしれない。内部的に説明できる評価は「2、3人しか来ていないが、重要なこと」を説明できるかどうか。<br />・ 外堀で社会性をもたせつつと内堀もしっかりやり、両面をあわせて、社会的に認められるようなものを提示していく必要がある。<br />・ 内堀は批評の問題とクロスオーバーしてくる。内堀から外堀へ向かっていくようなキャベツのようなモデル。保育器から出た瞬間に面白くなくなるかもしれないけど、次を育てる外の壁になってくれる。<br />・ プロジェクトが外へ説明する上手さをもつだけでなく、自分たちが面白いことをやっているかどうかの「批評性」をもちつづけられるかどうか。<br />・ どんなものでも時間が経つと外側に追いやられていくのではないか。常に若い芽が出続ける準備しかできないのではないか。<br />・ プロジェクトとして仕組むときに若い芽を組み込んでいくことを意識的に進めていかなければならない。<br />・ これからはここで議論してきた言葉を細かく検証して積み上げていくことが必要になってくるのではないか。<br />・ 具体的な例に即して検証してみたい。たとえば当事者に「なぜこれが批評性があるのか」と丁寧に聞いてみたい。でも「言葉にならない」「分からないからやっているんだ」ということになってしまうのではないか。<br />・ 作家はそれでいいが、意欲的なアートプロジェクトを行っている人もそうなってしまう。言葉にできたときのつまらなさ。言葉になったときに外側になってしまっている、とも考えられる。<br />・ レイヤーが沢山あって、コアな言葉にならないところがあり、一番外側に誰にでも説明できるような言葉がある。キャベツのコアを生み出すような循環性、自己生成性。<br />・ 評価には説明責任だけでなく、汎用性もあったが、おそらくコアな部分は他には活かしようがないところ。そこを取り出してどうなるのか。<br />・ 取り出して「これが価値があるんだ」といってもらえることで、それを価値と言っていいんだと言えるようになる。<br />・ コアなところを取り出すことは「そうやればいいんだ」ではなく、次のアイディアを刺激するようなもの。汎用性のあるモチベーション、起動するスイッチとして取り出す(使えるツールではなく)。道具ではなく、態度。<br />・ 「こういうものもあるんだ」と実験的な空気が飛び火していく。それがなければくじけてしまう人を救うようなものになっていくだろう。<br /><br />■ 現行のプロジェクトの評価(テラトテラを事例に)<br />・ 目標の達成の精度を厳密に吟味していく、目標を疑うことをやってみてはどうか。<br />・ でも、ざっくりした目標だから走れているところがあるのではないか。その辺を精緻化していくことで走れなくなってしまう。全部を決めてしまうと、それしかできなくなる危険性がある。<br />・ この規模でのプロジェクトには評価は必要ないのではないか。プロジェクトとしてまわっていく機能としての評価が必要なのではないか、という前提がテラトテラの評価にはある。<br /><br />■ アートプロジェクトとマネジメント<br />・ すべてのアートプロジェクトの問題は、「アート」以前の問題なのではないか。<br />・ そっちに引っ張られて「アート」がおざなりになる問題があるのではないか。アート的に面白くない、は、そっちにひっぱられてしまうため。でも、いままでのアートプロジェクトは、そこを評価してきたのではないか。<br />・ でも、「アート」以前という枠組みを設定するようなモデルを考えてもいいかは分からない。<br />・ 「アート」以前で四苦八苦していることが常識化しているアートプロジェクトの状態で、そこを指摘してはどうなのだろうか。<br />・ アートプロジェクトにおいてアートは赤ん坊のようだ。常に慣れない。<br />・ 開き直りが通じなくなってきているのが、今の状態なのではないか。 このままでは同じ問題を指摘して終わってしまうのではないか。<br />・ マネジメントの問題を指摘してもしょうがない。コンサル的なことをしてくのではないか。<br />・ 問題を話す場所を提供する。家族カウンセリングと似ている。第3者がいると話ができること。<br /><br />■ 批評/評価/カウンセリング<br />・ アートプロジェクトの評価的なものはカウンセリング、コンサル的なものなのではないか。<br />・ 常に流動的な組織状態で動かなければならないため、カウンセリング機能が必要なのではないか。でも、かならず崩壊するわけではない。<br />・ サポーターなど入ったばっかりの人が意見を言うことができる。長く活動している人が発言しやすくなってしまう。<br />・ 面白さを安心して追求していける状況をつくることができるか。<br />・ 外堀的に説明できるものがあり、カウンセリングが機能すればいいのか。<br />・ 全部外堀にしようとするからつまらなくなるということは(研究会で)共有できた。<br /><br />■ アートプロジェクトの評価者とは<br />・ 内堀の面白さを分かりつつ、外堀をやるポジションが必要なのではないか。<br />・ アートプロジェクトの相談役=カウンセラー?が派遣されていく組織。<br />・ カウンセラーの役割は何かをアドバイスするのではなく「問題を聞くこと」か。<br />・ でも、やった場合とやらなかった場合の比較ができない(一般的なカウンセリングでの治ったとは= 日常生活に紛れ込ませることができるレベルまで→ぎりぎりアートって言えるレベル?)<br />・ プロジェクトを評価するということでは、人とのカウンセリングを行なうことで達成できるのか。<br />・ 組織が続いていくために評価すること、社会的な意義を説明していくことは違って考えていく必要。<br />・ ドラマトゥルク=一緒に作品をつくっていく側に入っていく職。<br /> <a href="http://sampleb.exblog.jp/12392452/">http://sampleb.exblog.jp/12392452/</a><br /> <a href="http://www.nettam.jp/blog/2010/06/post-41/">http://www.nettam.jp/blog/2010/06/post-41/</a><br />・ たとえば「プロジェクト・ドラマトゥルク」がいることで成立することがあるのではないか。<br />・ 作品をつくるほうと説明するほうが共有するものがない状況で、分離し、対立してしまう状況があるのではないか。<br />・ 内堀を共有しながら、あえて外堀へやる人や、内堀を深めていく人とひとりでできないところを分けてしまうのがいいのではないか。<br />・ 最初にやった人はひとりで内堀と外堀を身体的にやっていた。その重要性が示されたなかで、それをモデルや方法としてやろうとしたことは難しい。<br />・ カウンセラーよりも深く作品に入っていく方向なのではないか。<br />・ 内と外をつなぐ人がいないと、内で戦い切れないということがあるのではないか。<br />・ 意図的に2つの役割を分けて推進していくことが必要なのか。<br />・ 完全に分けていくモデルは必須ではないが、必要とされているのではないか。<br />・ ドラマトゥルクってどうすれば育成できるのか。文芸プロフェッショナルか。<br />・ もし、組織論的なことなのであれば、「安上がりな組織コンサルがいない」ということが問題なのか。<br />・ ドラマトゥルクは目新しくないと感じるのは、展覧会ならばメインとサブのキュレーターがあるから。<br />・ でも、メインとサブではないか。別府のプロデューサーとディレクターの在り方はどうか。<br />・ 評価は第3者ではなく「社会とつなぐ役割」というのは新しい視点かもしれない。<br />・ 行政でやると固い評価になってしまうことが問題なのではないか。<br />・ いまの日本では行政との間を上手く渡っていく人が大事になるのではないか。民間では比較的小さな活動も見ていてくれる。<br />・ 行政では、対個人でやりにくいのかも。けっきょく個人的な関係をつくっておくことが大事になるのではないか。民間ではそれが見えやすいのかも。<br />・ 小規模と大規模でやり方は変えたほうがいいのかもしれない。<br /><br />■ 評価の傘<br />・ 片山さん、プログラム評価の話しをしていたけれど、東京アートポイント計画はそれでいける。テラトテラの評価を個別でしなくともいいのではないか。その点、AAFは上手い。<br />・ 小さいプロジェクトは、いくつかのプロジェクトをまとめて、おおまとめで評価をしていくのはどうか(日本中がアートポイントで)。数が集まれば、数値として力をもつ。<br />・ 勝手に想定してやることは可能なのか。アートポイントやAAFという傘以外に、どんな傘を設定すればいいのか。エリア、地域で区切るか。<br />・ 大きな傘をどのように設定するのか。たとえば日本全体でどんな成果があって、どんな社会的なインパクトにあったなど。<br />・ 組合ができてしまうと、そこの利益を守ることになってしまう。少なくともアートプロジェクトが増えすぎだよね、とは言えなくなる。<br />・ 組織化を嫌がるのではないか。デメリットがあるのではないか。<br />・ アートNPOフォーラムに自分たちで寄付の基金をつくった団体があった。評価を自分たちの手に取り戻すようでよかった。制度と評価がくっついているのであれば、制度を変えていくほうに動いた。<br />・ みんなが行政に説明をしていくよりは、対象が多様化していいと思う。<br />・ 傘をつくることのメリットとは何になるのか。「面白さ」を代わりに言ってくれる人になるのか。ロビー活動はしやすくなるのではないか。<br />・ AAFの検証会もピア・カウンセリングに近くなるのではないか。とにかく、言いたいのではないか。<br />・ 傘も圧力団体ではなくて、病院のようになってしまうか。アートプロジェクトの病院。駆け込み寺。<br />・ 公開カウンセリングや定期健診を行なうのかどうか。<br /><br />■ アートプロジェクトとカウンセリング<br />・ アートプロジェクトのカウンセリングの専門性とは何か。<br />・ 話したいだけなのか、何かを言ってほしいのか。「あなただけのプロジェクトの問題じゃない」と言うことの意義。他のプロジェクトがよく見えるらしい。<br />・ AAFは公開ピア・カウンセリングになっているのではないか。アートポイントの公開ピア・カウンセリングをすればいいのではないか。<br />・ 「みんな同じ問題を抱えている」という問題を共有する議論だけでは、次のステップで何をするのか、は見えてこない。<br />・ 予想外の状況が面白いけれど、予想外の状況でしかないのは大変。ベースがあったうえで、予想外の状況が生まれてくるのはいいのだけど。<br />・ イノベーションが生まれる前提が共有される前に、駄目になってしまう。evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-63026495605617129302010-10-18T18:00:00.006+09:002010-11-15T13:17:13.367+09:00「文化庁文化芸術創造都市モデル事業」、神戸地域は「評価ツアー」開催第1回ゼミで<strong>「</strong><a href="http://www.bunka.go.jp/oshirase_koubo_saiyou/2010/creativecity_model.html"><strong>平成22年度文化庁文化芸術創造都市モデル事業</strong></a><strong>」</strong>の話をしました(<a href="http://evasemi.blogspot.com/p/blog-page_31.html">リンク集</a>にも掲載)。評価を行うことも採択の条件になっているという、文化庁助成の中では珍しい事業です。<br />モデル事業に採択された案件のうち、神戸地域では「事業評価ツアーin Kobe」を開催しているとのこと。以下、メーリングリストに投稿された情報を、参考までに転記します。<br /><br />参加者を募って、プロジェクト内容を丁寧に説明し、「事業評価ツアー」という仕立てにしていくのはなかなかユニーク。どのような内容になるのか、知りたいですね。<br />他のモデル事業地域はどのような評価を行っているのでしょうか。それも知りたいです。<br /><br /><br />【以下、転記】<br />------------------------------------------------------<br />Subject: [cpnet-info][03162] 文化芸術創造都市モデル事業評価ツアーin Kobe のご案内<br />神戸大の藤野です。<br />お世話になっております。<br />文化庁文化芸術創造都市モデル事業の第三回評価ツアーを行います。<br />アートの魅力満載ですので、ぜひお越しください。<br />*********<br /><br />第3回神戸創庫おもしろくし隊 参加募集!<br />みなとまち神戸の近代化の歴史を物語る「旧神戸生糸検査所」は、「デザイン都市・神戸」のシンボルとなる‘創造と交流’の拠点として「(仮称)デザイン・クリエイティブセンターKOBE」に生まれ変わる予定です。現在、多様な提供事業が行われるなか、本年度文化芸術創造都市モデル事業に採択され、新たな事業を展開しています。今後、旧神戸生糸検査所(神戸創庫)がより創造的な場となるために、ご意見、ご提案をいただく、第3回評価観考「神戸創庫おもしろくし隊」の参加者を募集します。今回の評価事業は神戸デザインの日記念事業「神戸+デザイン」です。みなさんの新しい視点と愛情ある評価で、神戸創庫とデザインによる地域創造の新たな可能性を発見してください!<br />日時 10月17日(日)14:30~16:30(予定)<br />スケジュール 14:30 旧神戸生糸検査所 入口集合 このちらしを持ってお待ちしています<br />14:30~15:00 神戸創庫おもしろくし隊の説明、提供事業の紹介<br />15:00~ 「神戸+デザイン」事業 視察・評価@カフェ<br /><br />神戸+デザイン=?<br />2008年10月16日に、神戸市はユネスコより「デザイン都市」としての認定を受けました。この記念すべき日を「KOBEデザインの日」として、毎年、記念イベントを実施しています。今年のテーマは、「デザインが地域社会でできること」です! 詳細はhttp://kobeplusdesign.jp にアクセスしてくださいね。<br />□デザインにふれよう<br />■世界を変えるデザイン展in KOBE・・さまざまな課題を解決してきたプロダクトやプロジェクトの紹介<br />◆アワード受賞作品展・・ユネスコ・デザイン都市共同CODE ポスターデザインコンペティション優秀作品展など<br />■「Exit to Safety-デザインにできること」展・・デザインの視点から安全の出口を探す展覧会<br />□デザインで遊ぼう<br />■ソーシャル”かえっこ”ビレッジ・・楽しいおもちゃの交換会!15:30からオークションもあります<br />□デザインを考えよう<br />■GLOCAL NEIGHBORHOOD MEETING in KOBE・・八潮まちなみづくり100年運動・プロジェクト展2010<br /><br />当日、旧神戸生糸検査所ではたくさんの提供事業も行われています。お時間のあるかぎり見学していただき、印象に残った提供事業も自由にコメントして下さいね!<br />◆陶芸家 佐藤千重 展覧会 [新館4階]<br />◆江里口暁子 写真展 [新館1階北玄関]<br />◆nami kanrei with candle therapy・・ロウソク作りワークショップ[新館4階]<br /><br />問合せ先:神戸市企画調整局デザイン都市推進室(担当:松添) TEL 078-322-6573 E-mail koji_matsuzoe@office.city.kobe.lg.jp<br />主催:CPS thru Arts 実行委員会[NPO法人DANCE BOX・神戸大学・神戸市ほか]evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-50586077833903027532010-10-17T02:49:00.024+09:002010-12-11T18:11:04.149+09:0010/12、第4回ゼミ開催だいぶ秋らしくなってきた10月12日、第4回目の評価ゼミを開催しました。<br />ゲスト講師は、<a href="http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/saitomap.html">総務省行政評価局</a>の柴沼雄一朗さんです。<br /><br /><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgcA77PMQf1dG5y5RS_mA_wgjWutjsrkdRm36VrH128r7KJeCjWe-FF7wvkGDGOd6s2lzhJFFyfGpIIg1XHYGq3K5r4hDWCGpoworEcayI8qWvbB1S4nSKPAVKDdl8_vwOodxXSDjpyt_Qq/s1600/P1010424.JPG"><img style="MARGIN: 0px 10px 10px 0px; WIDTH: 300px; FLOAT: left; HEIGHT: 400px; CURSOR: hand" id="BLOGGER_PHOTO_ID_5528712294337918402" border="0" alt="" src="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEgcA77PMQf1dG5y5RS_mA_wgjWutjsrkdRm36VrH128r7KJeCjWe-FF7wvkGDGOd6s2lzhJFFyfGpIIg1XHYGq3K5r4hDWCGpoworEcayI8qWvbB1S4nSKPAVKDdl8_vwOodxXSDjpyt_Qq/s400/P1010424.JPG" /></a><br /><br /><br /><a href="https://blogger.googleusercontent.com/img/b/R29vZ2xl/AVvXsEjBtoPLEbde9qR26mldM57c6yZ5UcrqFwsDVO9JyJFUUeNeDwlv5IFdAGg_a_pbxWWgqqnKQS0_iQ9atPTCbQ9rGPjw124tfHaaqy_6F_wMa4BFLS_hJu13Eav_QhWXj5AMJp1yLe1OuUlT/s1600/P1010424.JPG"></a><br /><br /><br /><br /><div><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><br /><div></div><div>今回柴沼さんに講師をお願いしたきっかけは、昨年企業メセナ協議会で海外の講師を招いた評価ワークショップを開催した際、ある参加者の方に、「海外の事例を知るのも大事だけれど、日本でも国が丁寧に評価の研究とシステムづくりを行っていますよ。調べてみたらいかがですか」と教えていただいたことにさかのぼります。<br /><br />調べてみると確かに、日本の政府も想像していた以上に、評価の決まりごとや方針を詳細に設けていることが見えてきました。その担当部局が、柴沼さんご所属の総務省行政評価局。</div><div>国立美術館や国際交流基金などアート関係の機関も多数ある「独立行政法人」の評価を行っているのもこちらだとわかりました。<br />国は、どのように事業を評価しているのか?どのようなガイドラインを設けて政策の評価をすすめているのか?――事業仕分けの記憶もまだ新しいなか、「アートプロジェクトの評価」を考えるにあたっては、国の評価の取り組みの概要を把握しておくことも必要ではないかと思いいたりました。そこで、まったくコンタクトもなかったのですが総務省行政評価局にレクチャーをお願いしたところ、講師をご快諾くださいました。</div><div><br />柴沼さんは、「アートプロジェクトの評価に直接、すぐに役立つわけではないかもしれませんが、話の中から何か参考になる点を見つけていただけたらと思います」と、レクチャーを始められました。<br />本ゼミとしても、アート以外の領域での取り組みから、あらゆる分野の評価に共通する基本的な項目あるいは課題を把握することで、アート独自の評価のポイントをあぶりだせたらと願っています。</div><div><br />レクチャーの内容は、ゼミ生がレポートしてくださいますが、まずは開催概要の記録まで。<br /><br /><br /></div><div><strong>【第4回評価ゼミ】</strong><br />------------------------------------<br />■日時:2010年10月12日(火)19-21時 <br />■会場:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)<br />■講師:<a href="http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/saitomap.html">総務省行政評価局政策評価官室</a> 総括評価監視調査官 柴沼雄一朗さん<br />■内容:「行政の政策評価」<br />国は政策評価について。取り組みの概要や国の政策評価の標準モデル、各種ガイドライン等を学ぶ。<br />・19:00~20:00 柴沼さんレクチャー<br />・20:00~21:00 質疑・応答、ディスカッション<br />------------------------------------<br /><br /><strong>■講師プロフィール</strong><br />柴沼雄一朗 (しばぬま ゆういちろう) <br />総務省行政評価局 政策評価官室 総括評価監視調査官<br />平成7年、総務庁(当時)に入庁。人事・恩給局(公務員制度改革、人事評価の試行)、統計局(統計関連業務の民間開放の検討)、行政評価局総務課(行政評価機能の抜本的強化方策の検討)などを経て現職。<br /><br /><br /><strong>■配布資料<br /></strong>•「国の政策評価制度の紹介」(総務省行政評価局 柴沼雄一朗)<br /><br />(セルフリサーチ資料)<br />•『中之条ビエンナーレ2009 公式ガイドブック』<a href="http://nakanojo-biennale.com/">http://nakanojo-biennale.com/</a> <br />•中之条ビエンナーレ 評価関係資料<br />•『メセナnote62号』―「アートプロジェクトのための経済波及効果検証」(企業メセナ協議会、2009年)<br />•『地域創造』―連載:文化政策の行政評価[第1回~4回] (地域創造vol.22・23・24・25、2007~2009)<br /><br /><br /><strong>■参考文献・資料</strong><br />•「総務省 行政評価局パンフレット」(2010年)<br />•総務省行政評価局 「政策評価よくあるご質問(FAQ)」<a href="http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/faq.html">http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/faq.html</a> <br />•総務省 政策評価の総合窓口 <a href="http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku_n/index.html">http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/seisaku_n/index.html</a> <br />•総務省 行政評価局(コンテンツ案内)<a href="http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/saitomap.html">http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/hyouka/kyotsu_n/saitomap.html</a> <br /><br /><br /><br />【若林】 </div></div>evasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0tag:blogger.com,1999:blog-291429454393027707.post-74973230518496839332010-10-04T04:27:00.000+09:002011-03-04T16:42:43.256+09:00研究会2|議事メモ第2回TARL評価ゼミ研究会<br />日時:2010年10月4日(月)19時-<br />場所:小金井アートスポット シャトー2F<br />内容:<br />1)前回の議論の振り返り<br />2)事例報告『つなぐNPO 山梨県立博物館の通信簿』<br />3)ディスカッション<br /><br /><table style="width:auto;"><tr><td><a href="https://picasaweb.google.com/lh/photo/ezrChkjjbaWRswCzFHWrPg?feat=embedwebsite"><img src="https://lh6.googleusercontent.com/_d6LhWhUpQ30/TQIOr1eMP5I/AAAAAAAAAdY/xH6TY78fBis/s400/IMG_4437.JPG" height="300" width="400" /></a></td></tr></table><br />以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。<br /><br />■ 報告書を読んで<br />・(一般的な評価の) コンセプトから導き出すというよりは、逆の方法をとっているのではないか。<br />・ 観客の育成になっているのではないか(教育的な項目)。全部回答したら、いい博物館になるのか。万人向けの博物館はできるだろうが、突出した部分が削られるかもしれない。<br />・ そもそも(評価に)コンセプトやアイデンティティづくりから市民が関わっていけるのか。<br />・ 市民は色んなレイヤーがあるし、モチベーションも違うけど、任意に汲み取ることで説明ができてしまうのではないか。<br />・ 博物館の行政評価と市民評価も総体を評価する材料として使えるのではないか。ただそれがお互いに対応している項目になっているのか、またはその情報を同じ議論のテーブルにつなぐ人がいたのか。<br />・ 外部の第3者機関は専門家と市民の評価をあわせたものになるのか。<br />・ 誰が評価の材料を集めて、分析をして、評価をするのか。<br /><br />■ 評価と説明責任<br />・ 評価をやらなければいけない空気=説明責任。<br />・ 評価は「ネガティブな面を見つめて、直してほしい」ということがスタートなのではないか。<br />・ ポジティブなものを育てる仕組みになっていないのではないか。<br />・ 公的資金が投入された時点で、説明責任が生まれるのではないか。<br />・ ある程度の説明責任をクリアしたら、面白いことをやればいいのではないか。<br />・ 有名美術館が上手くいっているのは、集客と経営が上手くいっているからではないか。その間は市民から不満が出てこない。説明責任はそれほど問題にならない。ただし(その説明の基準が)下降線をたどったときにどうなるか。説明責任のデフレスパイラル。<br /><br />■ 「面白いこと」を育てる評価〜アートプロジェクトの時間<br />・ 本当の意味でポジティブなものを育てる評価が「面白いこと」を評価するものであれば、それはないのかもしれない。<br />・ いまは「面白い」ということが経営的な視点から説明されているのでは。人がいっぱい入った=面白かった結果になっている。 面白さを実現するための手段の調整になっている。<br />・ 面白いものが増えてくるような評価のありかたはあるのか。現状ならば「いかに上手く説明するか」はできるのではないか。枠組みを問うような評価はありうるのか(そもそも必要なのか)。<br />・ いま有効である仕組み=「人が来た」という説明、が言えなくなるような状況を予見できるのであれば、変えなければいけないかもしれない。<br />・ 人は少ないけど、面白いことがある。こっちをプッシュできるような評価のあり方はあるのだろうか。<br />・ 初年度は駄目なのかも知れないけど、次年度以降も続けていけるか、も重要か。<br />・ マジョリティーの価値観ではないもの。<br />・「タモリ倶楽部」的なものはないだろうか。でも、 マイノリティーをとってマジョリティー化している?<br />・ すべてのアートプロジェクトに同じような評価軸をつくろうということに無理があるのではないか。<br />・ 妻有は一回目にがつがつ評価をいれなかったから成功したのでは。 瀬戸内はその練習があったから出来た。 評価にさらされなかった最後のアートプロジェクトなのでは。<br />・ 地域と言われたことで評価の時間軸は変わったのではないか。 単年度ではなく「時間のかかること」という考え方が浸透してきたのでは<br /><br />■ 評価とイノベーション<br />・ 評価がマーケティングにつながっていないのではないか。重なるけれど、評価のほうが、射程が広いのではないか。マーケティングより意思決定の上位にある(影響する)のではないか。<br />・ マーケティングはブレイクスルーやイノベーションは生まれない。イノベーションは評価に組みこめないのか(だから面白いものが生まれないのか)。<br />・ 予想できない状況をつくるのが一番面白い状況。それをどうつくるのか、を考える材料になりうるのか。<br />・ イノベーティブなヴィジョンを生み出す、とすれば第一回がイノベーションなのではないか。<br />・ イノベーションをどう組みこむのか。イノベーションを生まれてくるような方法。<br />・ イノベーションを継続的な成功体験にしていく評価。やり方自体もイノベーションが必要だけど、発想そのもののイノベーションが生まれるようなことがありえるのか。<br />・ 社会的な投資としてのアートプロジェクト。<br /><br />■ 成長させる戦略的な評価<br />・ 防衛的ではなく、成長させる戦略的な評価。<br />・ 個々でクリエイティブな評価体制をそこでつくっていけるか。<br />・ 予測不可能なものを組みこむ評価ならば、何でもありになってしまうのでは。<br />・ システムとしてはとらえどころのないものになってしまう。<br />・ 組織の目的によって方法を変えていくという意味でクリエイティブ。<br />・ 成長させる戦略的な評価は外に出さなくてもいいのではないか<br />・ プロジェクトにクリエイティビティがあるかどうか、なのか。<br />・ つまんないことを説明しようとしたら、(プロジェクトとして)次の段階にはいっていくのでは。地を這うように生まれたプロジェクトと戦略的な評価→ステイクホルダーが増えると防衛的な評価を組み合わせていく。<br />・ アートプロジェクトはどんどんステイクホルダーが増える。説明する対象が増えていって、自分で自分の首をしめてしまう。現実的に広げていかざるをえない形式なのではないか。<br />・ 防衛的な蓄積は出てきている。いかに使いこなせるかの現状。実は使いこなせば使いこなせるほどつまらなくなる。でも、使えば使うほどお金がとれてしまうとか。<br />・ 既存の評価軸におさまらないところへお金が流れていく仕組みをつくるには。<br />・ ポジティブで攻撃的な評価とは何か。<br /><br />■ 評価対象の枠組み<br />・ プロジェクトのフレームと中身の問題。フレームは企画の組み方、それが作品評価とも密接に関係してくるのではないか。<br />・ アートプロジェクトが出てきたことで、評価の対象の枠組みが広がったのではないか。<br />・ 分けて考えることは古いといえるかもしれないが、それに合った何かがまだ出来ていない。<br />・ 批評の課題でもあり、ポジティブな評価の課題でもある。そこに踏み込むことで、その領域が見えてくるのではないか。<br />・ 地域を軸に考えると、評価をする人が同化してしまう。アートプロジェクト=みんなを内輪にしてしまうもの。もしかしたら、「第3者」がいい、という視点も変わっていくのかもしれない。<br />・ 客観性をもっているか、が、共有できる説明の言葉をもっているかどうか、に。<br />・ 万人に独自のことをやっているなと分かるような評価。実は「評価はされている」ということもあるのでは。評価と呼ばれていないものを評価と呼んでみる方法もあるか。<br /><br />■ 「アート」ではない問題<br />・ 「アート」の問題ではないことが、沢山あるのではないのか<br />・ ベースとなるような一般的なものができれば解決する問題もあるのでは<br /><br />■ 今後のこと<br />・ 具体例がなさすぎて、話す材料がない<br />・ 防衛的な評価を検証していっても外堀を埋めて終わるのではないか<br />・ やっている人を呼んでディスカッションをするとか<br />・ ひとつのケースで、防衛的と攻撃的なあり方を2つ出すのはどうか<br />・ 材料として何をやるのかevasemihttp://www.blogger.com/profile/16510891224378848062noreply@blogger.com0