研究会4|議事メモ

第4回TARL評価ゼミ研究会
日時:2010年11月29日(月)19時-
場所:Tokyo Artpoint Project Room 302(アーツ千代田3331内)
内容:
1)前回の議論の振り返り
2)事例報告 東京アートポイント計画の評価
3)ディスカッション


以下は、ディスカッションの話題を中心にまとめています。

■ 事例報告をうけて
・ AAFのようなフラットな関係ではなく、アートポイントは比重があるのでは。「可能性の評価」に近い。全体の配分のなかで、段階や状況が違うプロジェクトが組まれている。価値的なものが入っている感じがする。
・ そういう意味では、ピアメンタリングが難しいのでは。逆にピアメンタリングはみんながフラットだったら、成り立たないのではないか。お姉さんやお兄さん的な立場があったほうがいい。
・ 弟がお姉さんを評価するのは可能なのか。教師と学生の評価がありえるから、どちらでも意味をもちうるだろう。

■ インタヴューの手法
・ アートプロジェクトはアートを評価できるのか、という芹沢さんの投げかけ。たとえばインタヴュー調査をするときでも可能性や展開可能性を引き出したり、次の展開まで踏み込める何かを提示していく必要があるかもしれない。
・ そうすると具体的にどういう方法がありえるのか。インタヴューしていく人が価値化をしていくのか。
・ インタヴューをする人で、出てくる意見が変わってしまう。出てくるエピソードが恣意的になってくる。同じ質問内容でも違ったトーンの回答が出てくる。
・ インタヴュー対象者の選び方や聞き手によって変わってくるのではないか。

■ 結果の提示の仕方
・ 評価をするときに課題や問題点が分かっているから、次のステップを提示できるはず。マイナスな部分の扱いをどうしていくのか。課題があるから「次にどうしようか」という視点が出てくるはず。
・「問題は分かっているが、人が足りない、お金がない」で終わってしまうのではなく「課題だから次どうするか」というものを、どうすれば一緒に見つけていけるのか。
・ 話しを聞くのがいいのか。その先に何かを提示したほうがいいのか。

■ 内堀と外側の調査スタンス
・ 内堀で一緒にやっていくならば、外側の調査をするときに「内側の人です」と言うか「外側の人で内側にフィードバックする」と言うか。
・ 外側は外側、内側は内側でインタヴューも報告書も分けたほうがいいのでは。いいエピソードが出たとしても、ぐぐっと留めて分けていく。実際にやってみると、結局混ざってしまうのではないか。
・ 外に出すインタヴューとして始まっても、公開の確認の時点で公開できなくなってしまうことがある(削除依頼)。
・ 通りいっぺんの話(たとえば商店街が活性化したなど)しか出てこないことがある。でも、逆にそれは外向きにはぴったりなのではないか。わざわざ対面インタヴューなのに、通りいっぺんのストーリーが出てくる!みたいな(そういう話しを集めるにはアンケートがやりやすい)。
・ 現場を見ている雰囲気が重要になってくるのではないか。可能性を見ていくには。

■ 東京アートポイント計画という傘
・ 東京アートポイント計画全員で最後にミーティングをしてはどうか。
・ 東京全部のなかでどんな位置づけ(どんな可能性があって)ということから、東京アートポイント計画を考えていかなければならないのでは。
・ そもそも(共催団体が)他を意識したり、大きな活動のなかでやっているという意識があるのか。
・ 共催企画としてやっているので、ひとつひとつのアイデンティティが強くて、東京アートポイント計画としての傘で考えることはないのか。大きな傘をよりよくしていこうという考えは難しいか。
・ 東京アートポイント計画以外のプロジェクトも含めて、全体のプロジェクトで見ていくのはどうか。
・ プロジェクト全体の枠組みを問うようなやりかたができないか。企業が大きくなるときに明らかな他社をウィルス的なものを組みこむことがある(そういうやりかたがあるのではないか)。
・ その際の呼びかけは東京アートポイント計画なのか、評価をしたい外部の主体なのか。

■ 傘の影響力と設定の仕方
・ 大きな傘のインパクトと魅力はあるが、M&A的な感じもする。小さなプロジェクトが、たくさん生まれてきた状態で、全体として底上げしていくのか、ということを考える状況もあるのではないか。
・ 傘に入れるときの双方の思い込みで路線が修正されてしまうのでは(個人でやってきた面白さがなくなってしまう)。
・ 傘に入れることで、よりに自由にやってもらおうと思ったはずなのに、共通の目標が出来てしまう…。
・ 知らないうちに傘に入っているのがいいのか。傘が目的をもってしまう(たとえば地域活性化)と問題。ガイドブックのようなかたちになってくるのか。るるぶ的な。
・ AAF傘に入ることの変更度は少ないのではないか。傘にあることのインパクトは大きいのでは。AAFのような活動がいっぱいあるんだ、と全体的な盛りあがりを生んでいるのでは。
・ お金的なものではないけど、テンションが上がったとか、周りからの知名度が上がったなど。
・ AAFのグループ企業のブランドのような影響力。とはいえ、それもAAFの恣意的な判断があったから。

■ 他者をいかに巻きこむか
・ 芹沢さんの話しを聞いていて、AAFは開催2年目にディレクター制度をなくしたことは、大きなブレイクスルーだったのではないか。
・ たとえば偶然性の高い手法で選んでしまうとか。いきなり、他者を恣意性を排していれてしまうことの可能性。公募でも選考は恣意的になる。
・ 事業の枠組み自体を問い直すようなやり方ができないか。全然理解しえない人や知らなかった人と、どのように入れていくのか。
・(同じような価値観をもった人々の)ピアメンタリングなやり方、違う価値観をもった人も入ってくる方法。前者は東京アートポイント計画では可能だけど、後者は呼びかけることに「勢力意図」みたいなものが出てしまうだろう。
・ 東京のキャベツモデルを年に1回、書き換える場。大きな勢力としての東京アートポイント計画が見えてくるかも。

■ 次回のこと
・ 議論は出尽くしている。方向性は何となく確認できているのではないか。
・ これまでの意見をまとめていけば、何か見えてくるのではないか。
・ それから、何かアクションを起こすのにも遅くはない。

0 件のコメント:

コメントを投稿