
評価事業を定款に定めるだけでなく、きちんと評価委員会を開催し、評価事業報告書も作成・発行しています。TANの評価事業は、評価の方法を模索した第1期から、試行錯誤も経て(これが大事)、現在は第3期に入っています。
【若林】
i)Goal Free Evaluation
作品単品ではなくアーティスト個人への支援を行う際に、支援することが被支援者の可能性を狭めては本末転倒である。①良い作品を生み出す、②活動のグレードアップがされるのであれば、後は個別のアーティストの問題であり、彼ら自身が向かう方向を決めるべきだ。そのため、評価は緩い枠組みで実施し、すぐには結果を求めず、結論を出さない。
ii) エピソード評価
客観的評価だけでは心がささくれてくる。ストーリーみたいなものがないと評価の聞き手の心が動かない。良い助成プログラムは良いエピソードにあふれているので、そのエピソードも評価の際に考慮に入れる。
i)評価のタイミング
事前・期中・事後と評価を行えるタイミングはさまざまである。事後評価もプログラム直後なのか、追跡調査なのかによって性質が異なる。
ii)評価の客観性
主観と客観は二律背反ではない。一枚のアンケートは主観的だが、枚数を集めれば客観的になる。
評価の客観性を担保するのは比較対象性。比較可能なのは「よく似た他人か過去の自分」。類似のプロジェクトがあるとは限らないので、助成前後での比較は重要である。
iii)新規性
皆がプログラムの結果に納得するものが良いものとは限らない。皆が賛成する安全パイは果たして助成財団が助成する必要がないのかもしれない
i)事後評価の指標は予め決めておくこと
ii)評価者を評価指標の設定時から関与させること
ⅲ)評価期間に幅を持たせておくこと
※ 評価期間が短いと過去の自分と評価できない